研究課題/領域番号 |
12557143
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
島田 昌一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20216063)
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研究分担者 |
植田 高史 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90244540)
平林 義章 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30181184)
村上 信五 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80157750)
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20326135)
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キーワード | 酸味受容体 / MDEG / hT2R16 / heteromer / 苦味受容体 / T2R / imaging / G蛋白 |
研究概要 |
MDEG1とMDEG2イオンチャネル複合体が酸味受容体として味蕾で機能し、pHの低い状態ではアミロライド感受性が失われることを示した。この特性は、実際の酸味受容体の生理学的特性とよく一致するものであった。 また、ヒト味覚受容体をコードしている遺伝子の中で3種類の遺伝子群hT2R3、hT2R4、hT2R5にアミノ酸変異を伴う遺伝子多型が存在することを示したが、さらにヒト味覚受容体遺伝子hT2R16にも多様性が存在することを明らかにした。この味覚受容体遺伝子hT2R16はそのままでは機能解析を行うことが大変困難だった。その解決法として、ウシの視覚受容体(オプシン)のN末端のアミノ酸をhT2R16のN末端に付加し(ウシオプシンのN末端は細胞膜への強力な移行シグナルを含むため)、味蕾特異的なG蛋白のgustducin(hT2R16と共役するG蛋白)とGα15/16(Plturnoverセカンドメッセンジャー系にシグナルを伝達)のキメラG蛋白を発現させたHEK培養細胞に、その改変型hT2R16を強制発現させ、細胞内カルシウムイメージング法を用いて機能解析を行うことに成功した。その結果、ヒトhT2R16はアミノ酸変異を伴う多様性を持ちながらもサリシンに全てタイプが応答した。サリシンは鎮痛、解熱作用を有する薬草の成分で苦味を呈する物質である。
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