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2000 年度 実績報告書

体外培養した自家結合識幹細胞の移植による組職再建術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12557150
研究機関名古屋大学

研究代表者

鳥居 修平  名古屋大学, 医学部, 教授 (60115607)

研究分担者 小出 幹夫  テルモ(株), 開発3課, 事業専門研究員
鳥山 和宏  名古屋大学, 医学部, 講師 (40314017)
北川 泰雄  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50101168)
キーワード再生医学 / 結合組識 / 間葉系幹細胞 / 基底膜 / GFP / ラミニン / 低酸素 / IV型コラーゲン
研究概要

事故や腫瘍摘出のために失われた結合組織を再建する術式の開発は再生医学の重要な課題である。これには脂肪組織の自家移植術が古くから採用されてきたが、移植脂肪が吸収され易かったり、採取できる脂肪組織量に限界があるなどの問題があった。このような移植医学の限界を克服する方向を探るべく、我々は結合織に内在する間葉系幹細胞の潜在能力を利用する研究を思い立った。この細胞は臨機応変に遊走して、増殖、分化する能力を成体においても維持しているので組織再建に利用できる。例えば、ラミニンやIV型コラーゲンを成分とする可溶化基底膜とbFGFを混合してマウスに皮下注入して体内にゲルを作ると、間葉系幹細胞が遊走してゲルを包む細胞層結節を形成する。ゲルがbFGFを含まないと何も起こらないが、bFGFを含むと内皮細胞がゲル内に侵入して血管を1週間以内に新生し、これでゲル内に酸素や栄養が供給されると、周囲の間葉系幹細胞も侵入して脂肪細胞に分化することを発見した。本年度は、このような間葉系幹細胞のダイナミクスを解明し、体内から分離して大量培養し、これを患者に戻して組織再建に役立てるための基礎実験を行った。すなわち、緑色蛍光蛋白質(GFP)遺伝子の導入によって体内の全細胞が蛍光を発するマウスから間葉系幹細胞と思われる細胞を分離培養し、これを通常のマウスに移植して、GFPを手がかりにして宿主組織の構築に寄与するか否かを検討している。この予備実験で得た知識をヒトの間葉系幹細胞に適用して、自家移植による組織再建に発展させる予定である。
他方で、表皮を形成するヒト角質細胞培養系を利用して、これらが合成・分泌るすラミニンの分子種を解析して裏面に挙げた論文を発表した。また、皮下等の低酸素領域では基底膜成分であるIV型コラーゲンの分泌が促進され、脂肪分化が加速されることをマウス培養モデル細胞(3T3-L1株)を用いて明らかにして発表した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Hirotake Yamaguchi,Hironobu Yamashita,Hitoshi Mori,Ikuko Okazaki,Motoyoshi Nomizu,Konrad Beck,Yasuo Kitagawa: "High and low affinity heparin-binding sites in the G domain of the mouse laminin α4 chain."J.Biol.Chem.. 275. 29458-29465 (2000)

  • [文献書誌] Chino Kumagai,Masaki Okano,Yasuo Kitagawa: "Tree heterotrimeric laminins produced by human keratinocytes."Cytotechnology. 33. 167-174 (2000)

  • [文献書誌] 鳥山和宏,川口信子: "脂肪の組織工学"医学のあゆみ. 196(5). 373-378 (2001)

  • [文献書誌] Kazuhiro Toriyama,Nobuko Kawaguchi,Junzo Kitoh,Rie Tajima,Kazuhiko Inou,Yasuo Kitagawa,and Shuhei Torii: "Endogenous adipocyte precursor cells for regenerative soft-tissue engineering."Tissue Engineering. (In press). (2001)

  • [文献書誌] Rie Tajima,Nobuko Kawaguchi,Yoko Horino,Yuji Takahashi,Kazuhiro Toriyama,Kazuhiko Inou,Yasuo kitagawa,Shuhei Torii,: "Hypoxic enhancement of type IV collagen secretion accelerates adipose conversion of 3T3-L1 cells."Biochim.Biophys.Acta. (印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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