研究概要 |
NODscidマウスは、SCIDマウスよりもNK細胞が少ないという点でヒト末梢血単核細胞(PBMC)の定着が5倍から10倍高いとされている。そこでNODscidマウスにヒトPBMCを定着させ、ヒト免疫系を確立したモデル動物が確立し、Streptococcus mutansの表層蛋白質抗原(PAc)に反応するヒト型モノクローナル抗体を誘導できるか検討を行った。またマウスから脾臓細胞を採取し、FITC標識抗ヒトCD45,CD4,CD8抗体を細胞に反応させ、FACS解析を行い、マウス脾臓内におけるヒトPBMCの定着率について検討を行った。ヒトの末梢血から細胞浮遊液を調製した。3x10^7PBMC/500μl HBSSをマウス腹腔内に移植後、PBS,IL-4,IL-12,IL-18,抗IFNγ抗体とPAcペプチドとKLHを週に1度、計3回腹腔内に投与した。4週から7週経過後、マウスから血清を採取し、血清中のPAcに対するヒト型抗体価と総ヒト型抗体価の検討をELISAにより行った。その結果、IL-18の処理マウスは、PBS処理に比べ脾臓への顕著なヒトCD45,CD4とCD8T細胞の定着を誘導した。、)。IL-18と抗IFNγ抗体を腹腔内へ注入すると、血清中のヒトIgM,G,A抗体価をPBS投与のコントロール群に比べ上昇させることが認められた。また、KLHに対するヒト型抗体価も上昇させることが明かとなった。今後は、PAcペプチドに対する抗体価の変動を検討し、特異抗体価を上昇させる条件設定を確立していく予定である。
|