| 研究課題/領域番号 |
12557160
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| 研究機関 | 大阪大学 |
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研究代表者 |
樽味 寿 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00294108)
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| 研究分担者 |
松尾 昌季 (株)住友化学, 研究主幹(研究職)
今里 聡 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (80243244)
恵比須 繁之 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50116000)
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| キーワード | 歯科用コンポジットレジン / 内分泌攪乱化学物質 / estrogenicity / 紫外線吸収剤 / benzophenone / reporter gene assay / リスク評価 |
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| 研究概要 |
コンポジットレジン(CR)には、口腔内での耐久性を向上させるため、ベースモノマーとともに紫外線吸収剤、重合促進剤など様々な化学物質が添加されている。これらの化学物質の安全性は、急性毒性や変異原性等の点から評価されてきたが、人の健康に悪影響をおよぼすことが懸念されている内分泌攪乱作用に関しては、まったく検討されていない。
平成13年度に我々は、11種の市販CRに含まれる化学物質の成分分析をGC/MSを用いて行った。そしてGC/MSで同定された化学物質及び硬化CRからの溶出物の女性ホルモン様活性をReporter gene assayにて検定した。
その結果、市販CRに使用されていることが確認された12種の化学物質のうち、紫外線吸収剤2-Hydroxy-4-methoxy-benzophenone(HMBP)、光増感剤2,2-Dimethoxy-2-phenylacetophenone(BDMK)および重合禁止剤2,6-Di-tert-butyl-p-cresol(BHT)の3種が女性ホルモン様作用を示した。HMBPとBHTはすべての製品に、BDMKはヨーロッパのメーカーが製造したCRにのみ添加されていたが、これらの女性ホルモン様活性発現濃度はHMBPとBDMKで1μM、BHTでは50μMであった。
さらに、11種の市販硬化CRからの溶出物をReporter gene assayにて検索したところ、、6種のCRで女性ホルモン様作用が認められた。これらの溶出物をHPLCにて分析した結果、すべてのサンプルからHMBPが、一部のものからはHMBPとDMPAが検出された。BHTはすべてのサンプルから検出されなかった。HMBPあるいはDMPAの溶出濃度と女性ホルモン様活性発現濃度の関係から、活性が認められた6種のCRのうち4種でHMBPが、2種ではDMPAの溶出が、CRの女性ホルモン様作用発現に関与したと考えられた。
以上、今年度の実験により、女性ホルモン様作用を示す数種の化学物質が市販CRから溶出することが確認された。今後、動物を用いた実験系により詳細なリスク評価を行っていく必要がある。
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