研究分担者 |
完山 学 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (90294420)
中西 徹 岡山大学, 歯学部, 助教授 (30243463)
滝川 正春 岡山大学, 歯学部, 教授 (20112063)
矢谷 博文 岡山大学, 歯学部, 教授 (80174530)
藤澤 拓生 岡山大学, 歯学部, 助手 (20325096)
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研究概要 |
遺伝子導入には,E1A,E1B,E3領域を欠失させた組換えアデノウイルス(5型)を用い,このアデノウイルスの欠失させた部位にCAG promotorと軟骨細胞の増殖,分化を促進する遺伝子として知られている結合組織成長因子(CTGF)の遺伝子を組み込んだAx1CACTGFを作製した。作製した遺伝子組換えアデノウイルスを軟骨肉腫由来軟骨細胞様細胞株HCS-2/8細胞(Takigawa et al.,Cancer Res,1989)およびウサギ肋軟骨,膝関節,顎関節から単離した初代培養軟骨細胞に感染させ,CTGFの遺伝子発現および軟骨細胞に対する作用を検討し,以下の知見を得た。 1.骨細胞にアデノウイルスベクターAx1CACTGFを感染させることによりCTGFを遺伝子導入すると,CTGFの遺伝子発現は上昇し,感染後7日目でピークに達した。 2.導入されたCTGF遺伝子により,軟骨細胞においてCTGFタンパクが産生されることが明らかとなった。 3.CTGFの遺伝子導入により,軟骨細胞のDNA合成ならびに細胞増殖は有意に上昇した。 4.CTGFの遺伝子導入により,アグリカンならびにX型コラーゲンの遺伝子発現が上昇した。 以上の結果より,軟骨細胞にCTGF遺伝子をアデノウイルスベクターを用いて遺伝子導入することにより,軟骨細胞の分化および増殖が促進されることが明らかとなった。
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