研究分担者 |
中西 徹 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (30243463)
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20112063)
藤沢 拓生 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20325096)
矢谷 博文 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80174530)
完山 学 岡山大学, 歯学部・附属病院, 講師 (90294420)
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研究概要 |
前年度に作製した組み換えアデノウイルスを用いたCTGFの遺伝子導入による欠損軟骨に対する修復効果をin vivoで検討するために,実験的軟骨欠損モデルを作製した。 [方法] 1.実験動物には体重2.5〜3.0kgの日本白色ウサギを用いた。 2.ネンブタールによる全身麻酔下にて,歯科用開口器による強制開口(開口量:35mm)を1日3時間,5日間行った。 3.強制開口終了後1日目(開口群1),7日目(開口群2)に顎関節部を摘出し,通法に従い固定,脱灰,パラフィン包埋を行い,切片を作製した。作製した切片を用いて顎関節部の組織変化をヘマトキシリン・エオジン染色ならびにサフラニンO染色にて検討した。 [結果] 1.開口群1においては,対照群と比較して関節頭表層の明らかな繊維化が認められた。また,サフラニン染色の染色性の低下,すなわちプロテオグリカンの減少が認められた。しかし,形態的な変化はほとんど認められなかった。 2.開口群2においては関節頭の中央部から後方部の軟骨層に軟骨組織の象牙化や,軟骨細胞の異常な集積が認められた。特に中央部では,軟骨層の消失が認められた。また,関節頭の前方部では軟骨組織の破壊が起きており,骨辣形成が認められ,その周辺部では軟骨細胞の異常な増殖が認められた。 以上の結果より,ウサギに強制開口させることにより,顎関節部に変形性顎関節症様の組織変化が引き起こされることが明らかとなり,このモデルが,in vivoでの遺伝子導入による関節軟骨修復研究の進歩につながると推測される。
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