研究概要 |
本研究では,メンタルヘルス要因も含めたライフスタイルの各要因と現在歯数,DMF歯数やCPIスコアおよびプレスケールによる咬合力測定・分析を行った。そのデータに基づき口腔健康年齢を設定し,そして,どのようなライフスタイル要因が口腔健康年齢に強く関連しているのか科学的定量的に実証し、さらに,関連した項目についてスコア化し,総計を算出することによって,口腔健康習慣指標を開発することを目的とした。日常生活習慣については,全身についてはBreslowや森本の健康習慣に基づき質問項目を選び,口腔については,口腔保健行動や歯科医療受診行動に基づき質問項目を作成した。メンタルヘルスについては,職場ストレス度,タイプA行動様式,アレキシサイミア,抑うつ度,働きがい度,生活満足度等について調査した。事業所勤労者(約400名)を対象者として定期健康診断時に,データおよび試料の採集を行った。口腔診査については,視診型診査を行った。歯の所見として,現在歯,う蝕と処置状況について調べた。歯周診査はCPIコードを測定した。咬合力測定はプレスケールを用いた。ライフスタイルおよびメンタルヘルスに関する質問票は健康診断前に配布し、各自記人のうえ回収した。データをノート型パーソナルコンピュータにより入力した。 その結果、現在歯数は年齢とともに減少したが、DMF歯数およびCPIスコアは年齢とともに増加した。また、現在歯数、DMF歯数、CPIスコアなどの指標はメンタルヘルス要因も含めたライフスタイル要因のいくつかと関連性を示した。しかし、プレスケールを用いた咬合力指標は年齢と明瞭な関連性を示さなかった。現在、これらデータをもとに、口腔健康年齢の設定のために、さらに詳細な解析を行っている。
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