研究課題/領域番号 |
12557183
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
雫石 聰 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00028789)
|
研究分担者 |
林 直治 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10303984)
田中 宗雄 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (90263300)
埴岡 隆 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (00144501)
|
キーワード | 口腔年齢 / ライフスタイル / 口腔健康習慣指標 / 歯科疾患 |
研究概要 |
本研究では、メンタルヘルス要因も含めたライフスタイルの各要因と口腔保健要因および咬合接触状態との関連性について分析を行った。そのデータに基づき口腔健康年齢を設定し、どのようなライフスタイル要因が口腔健康年齢に強く関連しているのか科学的定量的に実証し、さらに、関連した項目についてスコア化し、総計を算出することによって、口腔健康習慣指標を開発する事を目的とした。日常生活習慣については、全身についてはBreslowや森本の健康習慣に基づき質問項目を選び、口腔については口腔保健行動や歯科医療受診行動に基づき質問項目を作成した。メンタルヘルスについては、職場ストレス度、タイプA行動様式、アレキシサイミア、抑うつ度、働きがい度、生活満足度等について調査した。事業所勤労者(約400名)を対象者として定期健康診断時にデータおよび試料の採集を行った。歯の所見として、現在歯、う蝕と処置状況について調べた。歯周診査およびプレスケールによる咬合力測定も行った。ライフスタイルおよびメンタルヘルスに関する質問票は健康診断前に配布し、各自記入のうえ回収した。分析の結果、歯の喪失は職場ストレスや働きがい度と関係はなかったが、アレキシサイミアとの間に関連性を認めた。このことから、メンタルヘルスと口腔健康状態の関連性が示唆された。次に、口腔保健要因と咬合接触状態の関連性を調べた結果、DMF歯数、現在歯数や歯周病有病歯数により咬合力に有意の差がみられた。このことは、歯科疾患が咬合力に影響を及ぼしていると考えられ、咬合接触状態は口腔の健康状態を機能的な面から評価できる可能性が示された。ライフスタイル要因と咬合接触状態の関連性を調べた結果、咬合接触状態は、自覚ストレスとの間に関連性を認めた。これらのことより口腔保健要因に咬合接触状態といった機能的な評価を加えることで、ライフスタイル要因を総合的に反映した口腔健康習慣指標が開発できる可能性が示唆された。
|