研究課題/領域番号 |
12557184
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
日野出 大輔 徳島大学, 歯学部, 助教授 (70189801)
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研究分担者 |
横山 希実 徳島大学, 歯学部, 助手 (40325270)
田部 慎一 徳島大学, 歯学部, 助手 (40284301)
増田 かなめ 徳島大学, 歯学部, 助手 (30243710)
福井 誠 徳島大学, 歯学部附属病院, 助手 (50325289)
横山 正明 徳島大学, 歯学部, 助手 (10314882)
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キーワード | 熱ショック蛋白質 / Campylobacter rectus GroEL / 抗体価測定 / 唾液分布型IgA / 歯周病 / 歯周ポケット / BIAcore装置 / リコンビナント蛋白 |
研究概要 |
本年度は、表面プラズモン共鳴を利用したバイオセンサーBIAcore 1000を用い、歯周病との関連性が認められた熱ショック蛋白質Campylobacter rectus GroELに対する唾液分泌型1gA(S-IgA)の反応性を測定した。抗ヒトS-IgA抗体(20μg/ml)をセンサーチップCM5にアミノカップリング法にて固定化した後、S-IgA濃度を20μg/mlに調整した唾液サンプル、C.r. GroEL(100μg/ml)、ウサギ抗C.r. GroEL抗体(500倍)の順に各アナライト溶液を添加し、結合量をRU値として計測した。サンプル使用が可能であった健常・軽度歯肉炎群(20名)と歯周炎群(20名)について測定した結果、健常・軽度歯肉炎群(36.5±10.5RU)に比較して、歯周炎群(47.2±6.3RU)において有意に高い値を示した(P<0.01)。また、測定RU値は5mm以上の歯周ポケットを示す歯数と強い相関性を有することも明らかとなった(r=0.50,P<0.01)。 一方、上記測定法を確立するためにはアナライトとして十分量のC.r. GroELが必要となるため、リコンビナント蛋白質の作成を行った。C.r. groEL解析結果を用いたPCRにより作成された直鎖状DNAをmRNAへの転写と大腸菌への形質転換が同時にできるRTS 100 E. coli HY kitに用い、遺伝子導入した大腸菌を超音波破砕後、SDS-PAGE及び抗C.r. GroEL抗体と抗Hisタグ抗体を一次抗体としたWestern immunoblot法にて調べた。その結果、Hisタグを付加したリコンビナントC.r. GroELの産生を確認した。 以上の結果は、BIAcore装置は必要であるものの、唾液を用いた熱ショック蛋白質抗体価測定による歯周病の病態測定法としての可能性を示すものである。
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