研究課題/領域番号 |
12557186
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山下 喜久 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20192403)
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研究分担者 |
中野 善夫 九州大学, 歯学研究院, 助教授 (80253459)
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キーワード | 細胞壁多糖 / S.mutans / A.actinomycetemcomitans / 莢膜様多糖 / ABCトランスポーター |
研究概要 |
これまでの研究でクローニングに成功したS.mutansの細胞壁多糖の合成に関与する遺伝子の中でも、実験データならびに他の遺伝子との相同性から、rgpCおよびrgpD遺伝子が、菌体内で合成した細胞壁多糖の菌体外への輸送に関連していると考えられることから、菌体外から本遺伝子産物に作用することで、細胞壁多糖の合成を抑制できるものと考えられた。そこで、これらの遺伝子を選択し、これらの遺伝子を大腸菌で発現させて、発現したタンパク質を精製し、これを抗原として抗体を作製した。得られた抗体を培地に添加して、S.mutansを培養して、得られた菌体について細胞壁画分を調製して、細胞壁多糖がどの程度産生されているかを調べたが、細胞壁多糖合成を効果的に阻害することはできなかった。そこで、抗体をリポソーム中に取り込ませて培地に添加し、その効果を調べたところ、若干の細胞壁多糖合成阻害の傾向が認められたが、有意な阻害効果ではなかった。現在、この抗体の阻害効果を効果的に発揮させる条件を確立しているところである。A.actinomycetemcomitansについても同様に、莢膜様多糖の合成に関与すると考えられるABCトランスポーターをコードしていると予想される血清型a型のORF3および4、血清型b型のORF10および11、血清型c型のORF10および11、血清型e型のORF10および11の各遺伝子産物に対する抗体を作製して莢膜多糖の合成阻害を試みたたところ、何れの場合もわずかではあるが阻害効果が認められた。
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