研究課題/領域番号 |
12557191
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
吉江 弘正 新潟大学, 歯学部, 教授 (20143787)
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研究分担者 |
杉田 典子 新潟大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30313547)
小林 哲夫 新潟大学, 歯学部, 助手 (00215344)
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キーワード | Fc受容体 / 二極特異的抗体 / 免疫療法 / 歯周病 / 歯肉溝滲出液 / 好中球 / Porphyromonas gingivalis |
研究概要 |
1歯周炎患者における歯肉溝滲出液好中球上の免疫グロブリンFc受容体発現の解析 インフォームド・コンセントが得られた成人性歯周炎患者21名より歯肉溝滲出液(GCF)・末梢静脈血(PB)を採取し、比重遠心法にて好中球(PMN)を分離後、Fc_γR及びPc_αR発現をモノクロナール抗体とフローサイトメーターを用いて解析した。その結果、Fc_αR発現はPB-PMNと比較して、GCF-PMNにおいて蛍光強度、陽性率とも有意に増強していた。一方、2種類のFc_γR発現はGCF-PMNにおいて共に有意な減少を示した。次いで、全RNAを抽出後、特異的プライマーを用いたKT-PCR法によりmRNAレベルを解析したところFc_αR mRNA量はGCF-PMNで有意に上昇していた。更に、Fc_γR及びFc_αRを介した歯周病原菌の貪食・殺菌効果をin vitroにて検索した。IgG1でオプソニン化したPorphyromonas gingivalisに対する貪食・殺菌能は、PB-PMNの方がGCF-PMNと比べて有意に高いものの、IgA1を介した場合は同等であった。以上から、GCF-PMNの殺菌能賦活化を目的とした本研究ではFc_αRが二極特異的抗体の標的分子として最も確実性が高いと判断された。 2抗FcR-二極特異的抗体の作製 上記特異的抗体の製作のため、先ず、抗P.gingivalis抗体の精製を行った。すなわち、P.gingivalisを嫌気培養後、小胞(vesicle)を分離し、それを抗原としてウサギに免疫し、抗P.gingivalis-vesicleポリクロナール抗体を作製した。同抗体はvesicleの130kDaのバンドを強く認識し、赤血球凝集活性も強く抑制した。
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