研究課題/領域番号 |
12557193
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
鳥居 光男 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (30116066)
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研究分担者 |
富川 宗博 第一製薬株式会社, 開発企画部, 調査役
今村 隆寿 熊本大学, 医学部, 助教授 (20176499)
丸山 征郎 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (20082282)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 歯周病 / Porphyromonas gingivalis / gingipain / DX-9065a / IL-6 / MMP-1 / 歯周病治療薬 |
研究概要 |
歯周病原細菌Porphyromonas gingivalisの産生するタンパク分解酵素gingipainは、歯周病の重要な病原因子と考えられているが、それをターゲットとした歯周病治療薬は、全く存在しない。本研究では、gingipainが惹起する炎症反応を解析するとともに、選択的Factor Xa阻害剤DX-9065aのそれらの炎症反応に対する効果を明ちかにするとともに、P. gingivalisの増殖に対する同薬剤の効果についても検討を加えた。アルギニン特異的システインプロテアーゼRgpは、1nM以上の濃度で歯肉線維芽細胞からのIL-6およびMMP-1の産生を誘導した。DX-9065aは、0.18μM以上の濃度でRgpによるIL-6およびMMP-1の産生誘導を強く阻害した。DX-9065aは、FxaによるIL-6 mRNAの発現誘導およびNF-kBの活性化も強力に阻害した。さらに、DX-9065aはRgPの酵素活性を阻害すること、さらにはRgPおよびP. gingivalis全菌体による血管透過性の亢進作用も強力に阻害した。 DX-9065aは、P. gingival;isの増殖を死菌的に阻害した。またその作用は、同菌の産生するRgpの活性を阻害することによって発揮されていることが明らかになった。さらに、歯周病患者の歯肉溝浸出液中には、健常者のそれに比べて有意に高いトリプシン様活性がみられ、それらの活性は、DX-9065aによって強力に阻害された。 以上の結果から、DX-9065aはRgpによって惹起される炎症反応だけでなく、歯周病細菌の増殖も選択的に抑える大変ユニークな、新規の歯周病治療薬として有効であることが示唆された。
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