研究課題/領域番号 |
12557195
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
斉藤 正寛 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (40215562)
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研究分担者 |
角田 晃 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (70236933)
山内 雅人 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (30230311)
鈴木 元 名古屋大学, 医学部, 講師 (80236017)
笹栗 健一 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (10235286)
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キーワード | 骨シアロ蛋白質 / 組み換え蛋白質 / 再生 / 発生 / 歯周病 / 分子生物学 |
研究概要 |
昨年度までの研究で、我々は組み換えヒト骨シアロタンパク質(rhBSP)の作製をバキュロウイルス発現システムで行い、Sf9細胞内で65kDaおよび60kDaの分子量サイズで発現することに成功した。またcobalt affinity chromatographyを用いて精製したrhBSPは、ウシ歯小嚢細胞に対し細胞接着活性を有することも確認し、rhBSPが創薬として開発可能なことを示した。しかしこの発現系ではrhBSPの高収量は望めないため、本年度は高発現を目的とした新たな発現システムの開発に取り組んだ。まずrhBSPは細胞を用いた系では発現が低いと考え、大腸菌と小麦胚芽の無細胞抽出分画を用いin vitro translationを試みた。結果は両実験系共に充分な発現は認められなかった。そこで次にrhBSPのDNA配列に発現を抑制する配列があると考え、ラット骨肉腫細胞株で発現が確認されているN末、C末の一部が欠落したBSP fragment 1をヒトcDNA配列に基づき作製し、バキュロウイルス発現システムおよびin vitro translationにてその発現を試みた。しかし今実験でも高発現は得られなかった。一方我々は同じfamilyに属するヒトオステオポンチンをバキュロウイルス発現システムで高発現に成功しているところから、rhBSPのcDNAが発現困難な配列を有していることを予想した。そこで昆虫発現用ベクターでプロモーターにエンハンサーを組み込んだ改良型高発現ベクターを用いてrhBSPの発現を試みた。結果は予想通り従来型ベクターと比較して、transient transfectionの状態で約10倍以上発現が観察された。現在はstable transfectionを行い、rhBSPを発現するcell lineを作製中である。今後は大容量のrhBSPの精製システムを確立し、歯周病実験モデルに応用し、評価する予定である。
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