• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

転写因子の活性化制御を目指した新規合成ペプチドの創製と効率的細胞内導入

研究課題

研究課題/領域番号 12557200
研究機関京都大学

研究代表者

二木 史朗  京都大学, 化学研究所, 助教授 (50199402)

研究分担者 杉浦 幸雄  京都大学, 化学研究所, 教授 (40025698)
キーワード細胞膜透過ペプチド / 合成ペプチド / タンパク質細胞内導入 / HIV-1 Tat / HIV-1 Rev / アルギニン / 薬物送達 / 核移行
研究概要

HIV-1 Tatタンパク由来のペプチドTat-(48-60)とのコンジュゲーションにより、外来タンパクを細胞内に導入できることが知られている。Tat-(48-60)はRNA結合ペプチドであることから、我々は蛍光ラベルした種々のRNA結合ペプチドを合成し、それらの膜透過能と、ペプチド、タンパク質の細胞内導入キャリアとしての可能性について検討を行った。その結果、用いたRNA結合ペプチド10種のうち9種について細胞内導入が観察され、これらのうち良好な細胞内移行を示したペプチドを用いて分子量約29,000のカルボニックアンヒドラーゼも効率よく細胞内に取り込まれることが分かった。これらの結果から、このような効率的な膜透過はTatペプチドに特有のものではなく、アルギニンに富む塩基性ペプチド広く一般に見られることが示唆された。また、膜透過機序の検討により、従来知られているエンドサイトーシスとは異なる取り込み機序が存在することも示唆された。
我々は、次に、4〜16残基のアルギニン残基からなる蛍光ラベルしたペプチドを合成し、配列中のアルギニン残基数の影響を調べた。その結果、アルギニン4残基のものはほとんど細胞内に移行しなかったのに対し、8残基のものは非常に効率よく細胞内に移行した。しかし、アルギニンの数がこれより増えるに従い、逆に細胞内への移行は起こりにくくなることがわかった。これらのペプチドとカルボニックアンヒドラーゼのコンジュゲートを調製したところ、取り込み効率に関して同様な鎖長依存性が見られた。以上により、細胞内移行にはアルギニンのみならず、その数も重要な働きをすることが示唆された。これらのペプチドの細胞内導入法をもとに、現在、転写因子の活性化制御を目指したペプチドの設計を行っている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] S Futaki,T Suzuki,W Ohashi,T Yagami,S Tanaka,K Ueda,Y Sugiura: "Arginine-rich peptides : An abundant source of membrane-permeable peptides having potential as carriers for intracellular protein delivery"J.Biol.Chem.. 276(8). 5836-5840 (2001)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi