研究課題/領域番号 |
12557214
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研究機関 | 神戸薬科大学 |
研究代表者 |
菅原 一幸 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (60154449)
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研究分担者 |
三上 雅久 神戸薬科大学, 薬学部, 助手 (20330425)
山田 修平 神戸薬科大学, 薬学部, 講師 (70240017)
北川 裕之 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (40221915)
中島 元夫 ノバルティスファーマ(株), 筑波研究所・研究本部, 主席研究員
野水 基義 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00311522)
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キーワード | ヘパラン硫酸 / コンドロイチン硫酸 / X線結晶構造解析 / アミロイド前駆体タンパク質 / ガン抑制遺伝子 / 増殖因子 / 糖転移酵素 / EXT |
研究概要 |
ヒトのガン抑制遺伝子EXTファミリーの5つのメンバーの一つEXTL2はヘパラン硫酸(HS)の生合成に関わり、コアタンパク質との結合領域四糖に最初のα-GlcNAcを転移する酵素をコードする。α-GalNAcも転移するので、糖鎖伸長停止機構にも関与している可能性もある酵素である。そのマウスホモログの細胞内ドメインと膜貫通ドメインを除いた細胞外ドメインを可溶性タンパク質として大腸菌で発現させ、酵素活性を確認し、結晶化し、X線結晶構造解析に成功した。その結果、触媒ドメインに存在する3つの重要なアミノ酸残基を同定し、.酵素反応機構が明らかなった。EXTファミリーメンバーでの始めての結晶構造解析であり、他のファミリーメンバーの反応機構の解明にも貢献するはずである。 FXTファミリーメンバーEXT1とEXT2はともにHSの二糖繰り返し領域にGlcNAcおよびGlcAを転移し伸長反応できるが、単糖しか転移できず、これまで重合化反応は成功していなかった。今回、両酵素の遺伝子をCOS-1細胞で同時に発現させて精製し、結合領域四糖構造をもつトロンボモジュリンおよびグリピカンのコアタンパク質、あるいはGlcA-Gal-人工アグリコンを受容体基質として、分子量200kDa (1,000糖残基)を越える高分子重合ヘパランの合成に始めて成功した。 コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CS-PG)であるアミロイド前駆体タンパク質アピカンの組み換えタンパク質をラットC6グリオーマ細胞で発現させたところ、CS鎖にはいわゆるE二糖単位が14%も含まれ、ヘパリン結合性増殖因子であるミッドカインとプライオトロフィンに特異的に結合した。一方、ヒトニューロブラストーマ細胞SH-SY5Yで発現させた場合には、E二糖単位は皆無で、増殖因子との結合も見られなかったので、増殖因子との結合にE二糖単位が必須と考えられた。
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