研究課題/領域番号 |
12557217
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長野 哲雄 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (20111552)
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研究分担者 |
浦野 泰照 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (20292956)
菊地 和也 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (70292951)
樋口 恒彦 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (50173159)
島田 典招 第一化学薬品, 素材技術研究所, 所長(研究職)
平田 恭信 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (70167609)
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キーワード | 活性酸素 / バイオイメージング / 蛍光 / 炎症 / プローブ / 好中球 / PET |
研究概要 |
活性酸素研究は三期に分けることが出来る。第一期はスーパーオキシドディスムターゼが発見された1969年、第二期は内因性一酸化窒素(NO)の生理機能の解明で1987年、第三期は活性酸素のセカンドメッセンジャーとしての作用で2000年頃からスタートしたと考えられる。このように活性酸素の役割はここ30数年で大きく広がり、従来の酸素障害性分子種との認識から、最近では内因性の生理活性種として役割まで幅広くなってきた。活性酸素は短寿命であるため、生体内でその動的挙動を的確に捕捉することは難しく、今までは非特異的なプローブあるいは間接的な手法により議論されてきた。上記の活性酸素の生体内における機能解明では特異的で高感度の分子プローブの創製が強く望まれていた。今回、本研究者らはphoto-induced electron transfer (PET)機構に基づいて新規活性酸素プローブの開発に成功した。このプローブは既存のものに比べ特異性が高く、細胞内でのイメージングも可能で、これを用いて好中球から生成する活性酸素のバイオイメージングに成功した。今年度は、この活性酸素プローブ以外にも一酸化窒素プローブの高感度化に成功した。これは従来のFluorescence骨格からBODIPY骨格に変換する事により行われたもので、このことはPET機構に基づくプローブの分子設計は多くの蛍光団に適用可能であり、普遍的原理になりうることを示している。 本研究は14年度が最終年度であるが、本科学研究費補助金で行われた研究プロジェクトは上記の成果に見られるとおり、大成功であったと総括できる。
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