研究課題/領域番号 |
12557220
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中山 仁 熊本大学, 薬学部, 教授 (70088863)
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研究分担者 |
國安 明彦 熊本大学, 薬学部, 助手 (90241348)
宮崎 章 熊本大学, 医学部, 講師 (70253721)
石塚 忠男 熊本大学, 薬学部, 助教授 (60176203)
三戸 邦郎 三井化学, マテリアルサイエンス研究所・計算科学室, 室長
西 孝夫 大塚製薬, 徳島第2工場・医薬生産部, 研究室・室長
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キーワード | スルホニルウレア / グリベンクラミド / マクロファージ / CD36 / ACAT阻害作用 / コレステロール代謝 / スカベンジャー受容体 |
研究概要 |
本研究は、最近我々が、コレステロールエステル(CE)蓄積のキー酵素ACATの活性を阻害し、加えて酸化LDLのマクロファージ内取り込みを抑制するという、二重の薬理効果をもつ化合物を見い出したことを基盤としている。動脈硬化を中心とする血管病変の病態解明と治療薬の開発が社会的ニーズとなっていることから、本研究では、動脈硬化の発症・進展に関わる要因を探るとともに、従来の薬物にはない「異なった作用点で正の二重効果をもつ抗動脈硬化薬」を開発することを目的としている。本年度得られた成果は以下のとおりである。 (1)SU化合物5種、その構造的ホモローグであるN-アシルスルホンアミド型化合物を7種合成し、これら一連の化合物を、インスリン分泌能は低く、むしろ脂質代謝レギュレーターとしての活性の視点から見直しを加えた。その結果、ACAT阻害活性を高め、インスリン分泌活性を減弱あるいは欠失せしめる化合物の構造と活性の相関について、予備的な情報をつかんだ。 (2)本年度の成果として特筆すべきは、クラスBスカベンジャー受容体に属するCD36およびSR-BIがいずれもAGEの受容体としても機能することを初めて見い出したことである。AGEは糖尿病進行に伴い、タンパク質が糖化されるものであり、この成果は、糖尿病と動脈硬化の発症が密接に関連することを証拠だてるものとして意義が大きい。 (3)標的分子であるCD36とACATの特異的で迅速・高感度の活性測定法を本年度に確立する予定であったが、(2)の実験に力を注いだため、その確立は次年度に繰り越しになった。
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