研究課題
従来、糖尿病治療薬としてのみ認識されていたスルホニルウレア(SU)剤、glibenclamide(GB)の新しい作用として、コレステロール代謝や脂質代謝との関連から研究しているが、本年度は以下の成果を得た。(1)マクロファージにおいて、コレステロール代謝に深く関わるキー酵素ACATの活性がGBにより阻害されるとの興味深い知見をふまえ、いくつかの新規SUアナローグの比較を行った結果、有望な化合物が見つかってきた。より力価の高い化合物の設計・合成を進めるとともに、特許申請の検討を始めた。(2)従来、考えられなかった脂肪細胞においても、酸化LDLの取り込み・分解が認められ、しかもそれはCD36(=FAT)を介することを証明した。このスカベンジ機能にGBがどのような効果を示すのか、検討を開始した。(3)さらに、制がん剤の多剤耐性に深く関わるグルタチオン抱合反応および薬剤排出ポンプ活性をもGBが阻害するという興味深い知見を得た。制がん剤の有効活用の点から、より力価の高い化合物の設計・合成を進めるとともに、特許申請の検討を始めた。
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