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2000 年度 実績報告書

トランスジェニックゼブラフィッシュを用いた複合汚染水の総合的毒性評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12557222
研究機関国立環境研究所

研究代表者

青木 康展  国立環境研究所, 環境健康部, 室長 (20159297)

研究分担者 斎藤 穂高  (株)三菱化学安全科学研究所, 横浜研究所, 主任研究員
武田 洋幸  国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 教授 (80179647)
キーワード変異原物質検出 / トランスジェニック魚 / ゼブラフィッシュ / 急性毒性 / 孵化異常 / 形態形成異常 / 突然変異頻度
研究概要

変異原物質検出用トランスジェニックゼブラフィッシュ系統は、ヘテロ接合体として確立されている。ホモ接合体系統を確立すれば、安定した維持供給ができると考え、ホモ接合体作製を試みた。その結果、ホモ接合体を得ることができたが、以下の理由から、必ずしも安定した維持供給と、選択の手間の軽減には繋がらないことが結論された。(1)ヘテロ接合体より維持が難しい(死にやすい)(2)導入遺伝子数が減少した個体がよく現れる(選択が必要)。この現象は、導入遺伝子の部分的脱落が起こっているためと考えられる。このようなホモ個体は次世代の親魚として不適当で繁殖に使えない(ホモの場合、一対の遺伝子の両方から脱落した可能性もあるため)。以上の理由により、トランスジェニック魚はヘテロ接合体で維持し、次世代を得る度に、導入遺伝子が脱落していない魚を選択をすることにした。
精子凍結方法について、凍結保護材、冷却方法、人工受精条件について検討した。その結果、まだ受精効率はよくないが、凍結保存したゼブラフィッシュ精子を用いての人工受精に成功した。本方法を用いて、トランスジェニック魚の精子を凍結保存した。
複合曝露実験の予備実験として、トランスジェニックゼブラフィッシュ胚を、水環境中によく検出される化学物質benzo[a]pyrene、MelQx、Trp-P-2に単独曝露し、(1)急性毒性、(2)孵化異常、(3)形態形成異常、(4)突然変異頻度について検討した。その結果、いずれの化学物質も急性毒性があり、孵化の遅延と形態異常出現が観察され、突然変異頻度に関しても、上昇あるいは上昇傾向があった。また、それぞれの指標の強弱は化学物質ごとに異なっており、複数の指標を組み合わせた総合的毒性評価法が有用であることが考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 天沼喜美子,青木康展: "水環境中の有害物質検出へのトランスジェニックフィッシュの応用"蛋白質核酸酵素. 45. 2973-2981 (2000)

  • [文献書誌] 青木康展,天沼喜美子: "環境水中の変異原物質をいかにして検出するか?"化学と生物. 38. 642-644 (2000)

  • [文献書誌] 青木康展,天沼喜美子: "動物個体を用いた環境汚染物質のバイオアッセイ-環境変異原物質を検出するための遺伝子導入ゼブラフィッシュの開発"ぶんせき. 4月号. 199-204 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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