研究課題/領域番号 |
12557225
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山添 康 東北大学, 薬学研究科, 教授 (00112699)
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研究分担者 |
大橋 京一 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20137714)
福田 勝行 田辺製薬株式会社, 創薬研究所, 研究員
永田 清 東北大学, 薬学研究科, 助教授 (80189133)
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キーワード | 薬物相互作用 / グレープフルーツジュース / 薬物代謝 |
研究概要 |
阻害の酵素分子種選択性について知るためヒト肝ミクロソームを用いてCYP3A4およびCYP1A2、CYP2A6、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1への影響を2種のフラノクマリン単量体(ベルガモティンおよびそのジヒドロ体)と2種のフラノクマリン2量体(GF-I-1およびGF-I-4)について検討した。その結果、単量体と2量体に違いが認められ、2量体はCYP3A4に高い選択性を示したのに対して単量体はCYP2E1を除くCYP2C分子種およびCYP1A2の活性も阻害した。そこでグレープフルーツジュースが実際にCYP2C19等、CYP3A4以外の活性に影響するかを知るためグレープフルーツジュース飲用がオメプラゾールおよびその代謝物の動態をどのように変動させるかを調べた。その結果CYP3A4によって生成するスルホン体の動態は変化したが、CYP2C19によって生成する5-水酸化体の動態には変化が認められなかった。in vitro実験で、フラノクマリン単量体がCYP2C19を阻害したにも関わらず、ヒト飲用実験でCYP2C19によって選択的に生成するオメプラゾール5-水酸化体のレベルに対照群と飲用群で差がなかったことから、小腸壁でこれらフラノクマリンが捕捉され、小腸壁のCYP3A4を阻害することでグレープフルーツジュースは小腸特異性を示すと考えられる。現在グレープフルーツジュース飲用量を変化させ、阻害閾値の検討を行っている。
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