研究課題/領域番号 |
12557228
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 洋史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80206523)
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研究分担者 |
正田 純一 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (90241827)
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キーワード | 遺伝的多型 / トランスポーター / OATP2 / MRP2 / 有機アニオン / 胆汁排泄 / 極性輸送 / プラバスタチン |
研究概要 |
肝臓における有機アニオン系薬物の排泄における個人差に特に注目し、血管側膜取り込みトランスポーターOATP2/SLC21A6、胆管側膜排泄トランスポーターの多剤耐性関連蛋白2(MRP2/ABCC2)の機能個人差が生じる要因をin vitro系により検討を加えた。OATP2については、東洋人において発現される遺伝的多型変異体機能を解析するために、HEK293細胞安定発現株を作成し、数種類のリガンドを用いた検討を進めた。その結果、東洋人で比較的高頻度で生じる遺伝的多型変異は、輸送速度論パラメーターに変動をもたらすという予備検討結果を得ることができた。また、MRP2に関しても、東洋人における変異について検討を加え、新規な変異を見出すことができた。さらに、日本人の臨床癌サンプルより確立した細胞株を用いた解析を進め、種々の変異を見出すことに成功を修めたほか、変異がリンクする場合があることを見出した。一方、これらのMRP2変異体の機能のみをin vitro実験によって決定しても、in vivoにおける胆汁排泄能力の定量的評価は困難である。そこで、OATP2およびMRP2を共発現するMDCK極性細胞を用い、その経細胞輸送、取り込み過程、排泄過程について詳細な速度論解析を加えた。その結果、本in vitro実験系に変異体を発現させ、wild typeとの比較検討を行うことにより、変異を有するヒトにおけるin vivoでの動態を予測しうることが示唆された。
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