研究課題/領域番号 |
12557231
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
福井 裕行 徳島大学, 薬学部, 教授 (90112052)
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研究分担者 |
多比良 和誠 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10261778)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | リボザイム / 蛋白キナーゼC / アイソザイム / G蛋白共役型受容体 / ヒスタミンH1受容体 / 受容体脱感作 / 遺伝子発現 / 受容体情報伝達機構 |
研究概要 |
ヒスタミンH1受容体は抹消においてはI型アレルギー、中枢においてはヒスタミン神経系の伝達を仲介する。H1受容体はただ単に情報を伝達するのみならず、伝達の調節に関わっていると考えられる。一方の調節機構は受容体脱感作であり、他方は受容体遺伝子発現である。蛋白キナーゼC(PKC)はその両方の機構に相反する方向性で関わっていることが示唆された。PKCは数種のアイソザイムから構成され、2つの相反するH1受容体情報伝達調節機構には異なるPKCアイソザイムの関与を考えるのが妥当であると考えられる。PKCアイソザイムが別々に相反する機能にどのように関わるかを明らかにすることは情報伝達機構の解明において重要なテーマである。そのテーマの解明のためには個々のPKCアイソザイムのそれぞれについてノックアウトする実験システムを構築する必要がある。そのために、リボザイムを用いる方法が最も特異的に行えると考えられる。リボザイムは種々のモデルが考案されている。そこで、最も小型のハンマー型リボザイムベクター〔pcDNA3.1 Zeo+CMV(-)〕を採用し、それに挿入するPKC-αアイソザイムcDNAの部分塩基配列を5'領域から5箇所選択し、5つのベクター産生プラズミド〔pcDNA3.1 Zeo+CMV(-)-PKC-α1〜pcDNA3.1 Zeo+CMV(-)-PKC-α5〕を得た。これらのプラズミドをアストロサイトーマU393細胞に導入を試みた。しかし、導入効率が悪かったため、恒常的リボザイム発現細胞の単離を試みた。恒常発現細胞の単離を試みたが、培養を続けるに従い、細胞は死滅した。そこで、再度過渡的発現細胞を用いる方法に切り替えた。導入効率の高い条件を調べた結果、PolyFect Transfection Reagentを用いてHeLa細胞に導入する方法により高い導入効率(70-80%)を示すことが判明した。この条件下に、PKC活性化ホルボールエステル処置によりPKCを枯渇させたHeLa細胞にリボザイム産生プラズミドを導入させ、PKC発現の抑制を調べた。しかし、発現の抑制は著名なものではなかった。以上の結果、PKC発現をリボザイムによりノックアウトすることは調べた条件以外にも重要な問題点があり、更なる条件設定をする必要があることが分かった。
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