研究課題/領域番号 |
12557232
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
堀尾 嘉幸 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30181530)
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研究分担者 |
竹村 晴夫 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20106462)
八田 愼一 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (60094223)
宮本 篤 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50166196)
久原 真 札幌医科大学, 医学部, 助手 (80336403)
坂本 淳 札幌医科大学, 医学部, 助手 (40336392)
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キーワード | 水チャネル / マウス / PDZドメイン / 脳 / 網膜 / ラミニン / ポリリジン |
研究概要 |
グリア細胞に発現する水チャネルAQP4 cDNAをPCR法によってマウス脳cDNAより単離した。AQP4はそのC末端にPDZドメインを持つPSD95等の結合が可能となるSer-Ser-Val配列を持っていた。この配列に結合する可能性のあるPDZ蛋白質のdlg, PSD-95についてGST fusion蛋白質を作成して検討したが、いずれも結合するものを見い出すことができなかった。一方、AQP4のC末端部分のオリゴペプチドを合成し、このペプチドに対する特異的抗体をウサギおよびモルモットで作成した。これらの抗体はWestern blotによってGST fusion蛋白質としたAQP4を認識し、さらに、培養細胞に発現させたAQP4も認識することを確認した。免疫組織化学法によってAQP4の脳での局在を調べ、AQP4がアストロサイトに発現していることを確認した。また、網膜における分布を調べ、網膜グリアであるミュラー細胞にAQP4の発現を見い出した。ミュラー細胞を単離して、ポリリジンでコートしたガラスディスク上で培養をおこなったところAQP4の発現は検出されず、down regulationされている可能性が考えられた。ところが、ラミニンでコートしたガラスディスク上で培養するとAQP4の発現は持続していた。AQP4の発現制御に細胞外マトリックスが関与している可能性が高いと考えられた。これは、網膜に穴があき、障子体液が網膜下に侵入し、色素上皮細胞層と網膜の間が剥離する網膜剥離の際にも、ミュラー細胞でのAQP4の発現が低下し、余分の水を十分には吸収できないことが病態に関与する可能性が考えられた。
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