研究課題/領域番号 |
12557239
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
古川 功治 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (00297631)
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研究分担者 |
小嶋 雅晴 極東製薬工業株式会社, 研究開発部, 部長代理
中村 春木 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (80134485)
東 隆親 東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (00028234)
有國 尚 サイファージェンバイオシステムズ, 鎌倉研究所, 所長
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キーワード | 抗体 / 親和性成熟 / CDRループ / 抗原結合部位 / レパートリー |
研究概要 |
本研究は、以下の4つを達成することを目標としている。1)高親和性抗体のデザインの確立、2)抗体発現系の確立、3)プロテインチップでの測定法の確立、4)デザインの基礎となる抗体の創製。 本年度は、上記1)〜3)について研究をスタートした。1)については、親和性成熟の過程を反映する一連の抗NPモノクローナル抗体の構造機能相関を「H3ルール」を用いて検討した。その結果、非常に高い抗原親和性を得ることのできたクローンは、CDR-H3の構造がkinked-baseであり、かつ、ループの構造がフレキシブルであるという共通の特徴を持っており、また、これらのクローンはフレキシブルな特徴を反映するように、抗原結合に伴う構造変化のパターンを持っていることも明らかとなった。得られた知見は高親和性抗体のデザインに大きく寄与するものと考えられる。現在、これらの結果を論文として投稿中である。2)については、米Scripps研究所のP.Schultz博士より恵与して頂いたファージディスプレイ発現系を改変することにより本研究に見合った抗体発現系を作成し、抗体のFab部分が効率良く発現されることを確認した。次年度以降、この系を用いて、実際に試験管内で効率良く親和性を上昇させる試みを行う。3)については、プロテインチップ上の抗原抗体反応の質量分析計での測定を試みた。その結果、検出感度がまだ低く、チップに対する改良を加える必要があると考えられた。具体的には抗原抗体複合体のような巨大な分子量のものを効率よくイオン化できるチップ表面であること、蛋白質の非特異的な吸着を防ぐような表面加工を施すこと、の2点が挙げられた。
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