研究課題/領域番号 |
12558018
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
岩井 正浩 神戸大学, 発達科学部, 教授 (80036392)
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研究分担者 |
アルパレス ホセ 英知大学, 文学部, 助教授 (30278767)
久万田 晋 沖縄県立芸術大学, 附属研究所, 助教授 (30215024)
樋口 昭 埼玉大学, 教育学部, 教授 (60015287)
川内 由子 四国大学, 短期大学部, 講師 (20224727)
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キーワード | わらべ歌 / 子どもの遊び歌 / お手合わせ歌 / なわとび歌 / じゃんけん歌 / お手玉歌 / 子ども集団 / 学級崩壊 |
研究概要 |
最終年度は、愛媛、大阪、長崎、沖縄、東京都、そしてハンガリー共和国セゲド市、中華人民共和国南京市での調査で蒐集した遊び歌(=わらべ歌)のデータおよび子どもを対称とした遊びに関する意識調査の整理・分析を実施した。さらに平成16年2月にはスペイン共和国バルセロナ市において、野外における子どもの遊びの実態を調査した。これらの成果をもとにして、兵庫県園田学園女子大学人間健康学部幼児教育学科1年の学生80名を対象として、今日までの遊び歌と現代の子どもの遊び歌を比較研究しながら、歌を伴った遊びの実習をおこなった。中でもお手合わせ、じゃんけん、なわとびは、現代の学生も子どもの時代の体験を織り込み、体得することができた。さらに、ほぼ断絶したお手玉遊びを現代に蘇らせる試みを行った。これは遊び歌が時代とともに衰退・断絶・創造するだけではなく、回復が可能であるかどうかを、実際に自分で制作したお手玉で実習を行った。その結果、遊び歌の教材化が可能であると結論付けることができた。現代社会における過疎化、少子化、夫婦共稼ぎ、核家族化の中では、伝承プロセスが崩壊しつつある。保育園・幼稚園および小学校低・中学年で意識的・意図的に子どもに遊び歌を提供し、遊ばせることが重要である。遊びを通じて子ども集団が形成され活性化する。これは遊び歌が重要な教材となり、学級崩壊が起こりえない状況を作り出す。『わらべうたが子どもを救う』(出版図書)では、その意義を著した。実際に日本国内、ハンガリーや中国での調査では、遊び歌が盛んである小学校に学級崩壊がみられないという結果を得ることができた。
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