研究課題/領域番号 |
12558020
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
工藤 博幸 筑波大学, 電子・情報工学系, 助教授 (60221933)
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研究分担者 |
村山 秀雄 放射線医学総合研究所, 重粒子治療センター・高度診断機能研究ステーション, 主任研究官 (50166310)
久野 誉人 筑波大学, 電子・情報工学系, 助教授 (00205113)
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キーワード | 医用画像 / 画像処理 / 画像再構成 / SPECT / PET / MRI / EMアルゴリズム / オプティカルフロー |
研究概要 |
統計的手法を用いた医用画像データ解析システムを構築するため、幾つかの重要な医用画像処理問題に対するアルゴリズムの構築や改良を行った。まず、PETやSPECTにおいて統計雑音を軽減した良好な画像を得るため、最ゆう推定や事後確率最大推定の評価関数を反復法を用いて最小化する原理に基づく画像再構成アルゴリズムを開発した。ニュートンSOR法やブロック反復法などの最新の反復法を導入することにより、短時間での画像再構成が可能な効率的なアルゴリズムを完成させることができた。アルゴリズムの有効性を数値実験と実PETデータの再構成により示した。次に、MRIで撮影した脳画像を計算機で解析して灰質・白質・脊髄液・背景・その他の5つの領域に分割する画像領域分割アルゴリズムを統計的手法の一つであるEMアルゴリズムに基づき開発した。特に、ブロック反復と呼ばれる新しい考え方を導入することで、EMアルゴリズムの収束速度は十倍程度になり実用的なアルゴリズムとなった。アルゴリズムの有効性を数値実験と実データへの適用により示した。最後に、気管支の動画像を解析して気管支を構成する線毛の運動の様子を定量化するアルゴリズムを開発した。アルゴリズムは動画像をオプティカルフローと呼ばれる画像処理の手法で解析し、得られた動きベクトル場を解析することで運動の様子を定量化する原理に基づいている。実データを用いた実験を行い、アルゴリズムの有効性を示した。これらのアルゴリズムは全て使いやすいソフトウェアとしてまとめられている。来年度以降は、これらのソフトウェアを統合して一つのシステムとして構築することを検討していく予定である。
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