インターネット発信型「バーチャル統計学部」の構築

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12558021
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 松原 望 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20000185)
• 研究分担者: 長畑 秀和 岡山大学, 経済学部, 教授 (70135672) ; 小西 貞則 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (40090550) ; 大隅 昇 統計数理研究所, 調査実験解析研究系, 教授 (80000206) ; 白旗 慎吾 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (10037294) ; 柳川 尭 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (80029488)
• キーワード: コンテンツ・シート / バーチャル / 遠隔教育 / 電子会議場 / ブートストラップ / ジャックナイフ / リンク / ノンパラメトリック統計学

研究概要

本年度は最初の年度であるので、次の3点に焦点をしぼり、基盤作りに活動を集約した。i)全体集会で各分野の関心とトピックの意見交換を行った。(協力者の範囲は数学・確率論から心理学まで、理論から応用まで広くひろがっているのが本研究の特徴である)。ii)「バーチャル」概念につき、インターネットでイメージを交換する。今年は初年度でもあるので、集約の方向に持っていくのは来年度以降とする。研究論文中心(e-ジャーナル)、教育中心(遠隔教育)、リンク集中心(アメリカの統計教育)、画像技術中心(モデル・コンテンツシート)、「一般世間」中心(マーケット・リサーチ講習会をWEB化する)など多くのイメージが表れた。iii)ハードウェアの購入・整備の促進。「コンテンツ・シート」作成という点でも、一般に経験・知識・予算制約の差が見られる。本年はコンピュータ、スキャナ、デジタル・カメラ、音声入力装置、マイク、カセットなどの必要設備を最小限整備した。ただし、これらの統一規格化、電子会議場化にむけては来年度以降とする。
コンテンツ・シートの内容は、i)ブートストラップ、ジャックナイフ、モンテカルロ法、MCMCなどのコンピュータ・集約型の統計手法の解説ii)ノンパラメトリック統計学など、分布を中心とする数理統計学の汎用統計教育サイト、iii)調査法などのe-セミナータイプなどが上げられている。
研究成果として論文、講習会資料、リンク集、コンテンツ・マテリアル、解説書出版などが得られた。本年度としてはこれの収集をもって成果とするが、来年度早々、これを有機的に結合し、夏休み前までにはプロトタイプの作成を行い、WEB化してゆく予定である。

研究成果

• [文献書誌] Zhang,Z-Z.,Fujii,Y.,Yanagawa,T.: "On mental-haenszel type estimators in simple nested case-control study."Communication in statistics, theory and methods. Vol.29 No.11. 30-31 (2000)
• [文献書誌] Yanagawa,T.,Fueda,K.,Yonemoto,K.: "Analysis of observed chaotic data by non-linear autoregressive model."Proceedings of the international symposium on frontier of time series modeling.. 252-262 (2000)
• [文献書誌] Yanagawa,T.: "K.Wakimoto's contribution to the ranked-set sampling : aspects that have been over-looked by western statisticians"The proceedings of the tenth Japan and Korea joint conference of statistics.. 179-184 (2000)
• [文献書誌] Yanagawa,T.Yonemoto,K Fueda,K.: "Detecting chaos in physiological data."Proceedings of an international conference on recent developments in statistics and probability and their applications.. 530-534 (2000)
• [文献書誌] Tanimoto,Y.,Takeuchi,H.,Nagahata,H.,Yamamoto,H.: "Pressure measurement of air cushions for SCI patients."IEEE transactions on instrumentation and measurement. Vol.149 No.3. 666-670 (2000)
• [文献書誌] Machihara,S.Shirahata,S Mizuta,T..: "Estimation of ability of defects detection,estimation of numbers of defects before and after inspection and stopping rule at repeated inspections."Proc.PDA special scientific forum on visual inspection.PDA/FDA joint regulatory conference, Washington D.C.. Sept... 171-176 (2000)
• [文献書誌] 前田忠彦,中村隆: "近年5回の国民性調査の標本設計と標本精度について"統計数理. Vol.48 No.1. 147-178 (2000)
• [文献書誌] Aki,S.Hirano,K.: "Numbers of success-runs of specified length until certain stopping time rules and generalized binomial distributions of order k."Annals of the institute of statistical mathematics. No.52. 767-777 (2000)
• [文献書誌] 大隅昇: "精度管理における統計的データ解析(6)-管理図、シューハート管理図-"食品衛生学雑誌. Vol.41 No.3. 238-242 (2000)
• [文献書誌] 長畑秀和: "統計学へのステップ"共立出版. 182 (2000)
• [文献書誌] 松原望: "改訂版 統計の考え方"放送大学教育振興会. 430 (2000)