研究概要 |
平成12年度は原則として、下記1〜3の要素技術を個別に開発し、あわせて4についても検討を行なった。 1【画像からの臓器の抽出】現在,臓器の抽出法としては,領域拡張法によるものと、動的輪郭モデルを用いた手法がある.臓器の濃度値,形状は臓器ごとに異なり、また個人差もあるため汎用的な方法を開発するのは困難であると考えられる.そのため、まず、臓器ごとにできるだけ正確な領域を抽出可能な手法を開発した.本年度は,胃,大腸,気管支,血管を対象として領域抽出手法を開発した. 2【臓器変形手法の開発】臓器形状の変形においては通常、詳細な構造はそのまま保持し、大まかな形状を変形することが望まれる.臓器の場合通常は滑らかな膜の上に微小なひだや突起がある場合が多い,そのため,ひだや突起の形状はそのままで膜を平らに変形することが必要である.そのため変形してよい部分と変形してはいけない部分をわける必要があり,その手法の開発を行った. 3【可視化ツール】3次元画像観察を計算機上で行う場合には可視化の適切な手法を組み込む必要がある.切断箇所の指示や展開された臓器の観察を対話的に行うためにはリアルタイム利用ができるボリュームレンダリングアルゴリズムの開発を行った. 4【ユーザインターフェイス】臓器は3次元画像中に存在するため、切断する場所、展開する方向等の指定を直感的に行える手法を開発することは重要である。そこで,ユーザが画面上で簡単に切開指定が行える手法の検討と実装を進めた.
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