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2001 年度 実績報告書

市街地木造の長命・防火性向上を考慮した地域安全インフィルの創成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12558039
研究機関東京大学

研究代表者

菅原 進一  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011220)

研究分担者 村岡 宏  (株)大林組, 技術研究所, 研究員
岡 泰資  横浜国立大学, 工学部, 助手 (10240764)
須川 修身  東京理科大学, 火災科学研究所, 助教授 (60162856)
キーワード地域安全インフィル / 本郷地区 / 延焼防止性 / 傾斜炎特性 / 開口部 / 伝統木造 / ケープル防災 / 耐火橋脚
研究概要

本年度は、木造を含む市街地の調査を本郷地区として実施した。この地区は、戦前からの老朽木造が多数存在し、中にはマンションに建替えられたものも少なくないが、住宅地図から推測されるように古い木造の戸建て住宅やアパートも多く、本研究の趣旨に沿うためである。調査データを基に延焼動態を検証手法の改良を進め、耐火造および木質構造開口部の配置が重要な要因であり、各種幅員の生活道路をこれに付加することによって地域内インフィルの難燃性および地域インフィル間の延焼遮断性を向上させる見通しが得られた。特に、最近では建物の構造種別と開口部の位置関係が市街地の延焼拡大に大きく影響すること確認した。また、各種木造の延焼防止性をより明確にするため、炎上建物の火炎・形成と熱放射による延焼危険性について体系的研究を実施し、風で傾斜する炎の放熱モデルを構築し、火炎自体の放射熱の強度分布および複数建物が炎上した場合における合流火炎の形成条件について基礎的研究を行いインフィルの延焼防止性の明確化を図った。さらに、木材などの発熱特性を的確に把握するためのコーン・カロリー試験装置のデータ再現性に関する研究も実施し、その改善点を明らかにした。これらの成果は国際会議で報告し注目を集め、一つは最優秀論文賞を受賞した。さらに、地域インフィル周囲の道路沿いに存するRC高架橋およびその直下に配される電力・通信ケーブルが焼損・破壊して地域の防災性を低下させる危険性を検討するため、高強度コンクリートの火災加熱による爆裂性やケーブルの着火危険性に関する研究も実施し、地域機能の麻痺防止に一つの見通しを立てることが出来た。本研究課題は前年度に開始した2ヵ年計画であり、防災上の主な弱点の一つである木造密集地域を含む市街インフィルの耐震・耐火性向上方策を構築に資する成果が得られたものと考える。

  • 研究成果

    (41件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (41件)

  • [文献書誌] 菅原 進一: "都市域における木造建築物の防・耐火性能要件に関する考察"災害の研究. 32. 173-200 (2001)

  • [文献書誌] 菅原 進一他: "安全先取り型社会の構築"安全工学シンポジウム予稿集. 31. 1-24 (2001)

  • [文献書誌] 菅原 進一他: "住宅の品質"N・a view. 411. 2-5 (2001)

  • [文献書誌] Sugahara, S et al.: "Morphological properties of gypsum board exposed to fire based on SEM and XRD analysis"Prceedings of the fourth Asia-Oceania Symposium on Fire Science and Technology. 5. 2-5 (2000)

  • [文献書誌] 菅原 進一: "建築防火のミレニアム"火災. 50・1. 1-5 (2000)

  • [文献書誌] 菅原 進一: "都市・建築の防火と材料・工法"火災. 50・3. 37-40 (2000)

  • [文献書誌] 菅原 進一: "仕様的規定の概要"建築技術. 609. 98-108 (2000)

  • [文献書誌] Sugahara, S., et aL.: "Resent trends on management systems in Japanese building field"Proceeding of CIB World Building Congress 2001. 10. 329-341 (2001)

  • [文献書誌] Sugahara, S., et al.: "A study on the structure of cone calorimeter as the authorized apparatus"Proceeding of Inter-flam 2001. 2・9. 543-554 (2001)

  • [文献書誌] 村岡 宏, 他: "台東区における寺社建築とその防火管理に関する実態調査-都市部の伝統木造建築物の火災安全に関する研究-"日本建築学会構造系論文集. 539. 175-182 (2001)

  • [文献書誌] 村岡 宏, 他: "都市における寺社建築材料・工法の評価構造に関する研究"日本建築学会構造系論文集. 540. 133-139 (2001)

  • [文献書誌] 村岡 宏, 他: "都市における純木造寺社建築の類焼防止上の安全条件-都市部の伝統木造建築物の火災安全に関する研究 その2-"日本建築学会構造系論文集. 548. 175-182 (2001)

  • [文献書誌] 村岡 宏, 他: "伝統木造建築の火災安全に関する研究 その1 寺社建築の防火管理の実態"日本建築学会大会学術講演梗概集. 9. 107-108 (1999)

  • [文献書誌] 村岡 宏, 他: "伝統木造建築の火災安全に関する研究 その2 台東区における寺社建築と防火管理に関する調査"日本建築学会大会学術講演梗概集. 9. 163-164 (2000)

  • [文献書誌] 村岡 宏, 他: "木材用防火塗料の防火性能評価"日本建築学会大会学術講演梗概集. 5. 378-381 (2000)

  • [文献書誌] Ko Muraoka, et al.: "Fire Problems and Fire Protectin Management for Wooden Shrines and Tempies in Japan"The 4th ASIA-OCEANIA SYMPOSIUM ON FIRE SCIENCE AND TECHNOLOGY. 5. 239-250 (2000)

  • [文献書誌] 菅原進一, 他: "GISによる市街地の防災力分析の可能性について"日本火災学会研究発表会概要集. 5. 224-227 (2000)

  • [文献書誌] 菅原進一, 他: "GISによる市街地の耐火性能調査について"日本建築学会大会学術講演概要集. 9. 175-176 (2000)

  • [文献書誌] 菅原進一, 他: "ISO加熱によるコンクリートの内部応力分布のシミュレーション"日本火災学会研究発表会概要集. 5. 234-237 (2000)

  • [文献書誌] 菅原進一, 他: "高強度コンクリート部材の耐火性能に関する研究その1 ISO加熱によるコンクリート爆裂に関する実験的検討"日本火災学会研究発表会概要集. 5. 135-138 (2001)

  • [文献書誌] 菅原進一, 他: "高強度コンクリート部材の耐火性能に関する研究 その2 練成解析を用いたコンクリートの熱応力に関する研究"日本火災学会研究発表会概要集. 5. 139-140 (2001)

  • [文献書誌] 菅原進一, 他: "高温時におけるコンクリートの内部応力解析"日本コンクリート工学協会. 7. 37-40 (2001)

  • [文献書誌] 菅原進一, 他: "コンクリートの爆裂に関する実験的検討 その1 高温時の力学的特性および細孔分布の変化"日本建築学会大会学術講演概要集. 9. 21-22 (2001)

  • [文献書誌] 菅原進一, 他: "コンクリートの爆裂に関する実験的検討 その2 ISO加熱によるコンクリート耐火性能"日本建築学会大会学術講演概要集. 9月. 23-24 (2001)

  • [文献書誌] SUGAHARA, S., et al.: "Experimental Study on Fire Endurance of High Strength Concrete"Proceeding of the fifth International Symposium of ASOAFT. 12. 18-30 (2001)

  • [文献書誌] 菅原進一, 他: "開口部を考慮した市街地火災性状に関する検討"日本火災学会研究発表会概要集. 5. 94-97 (2001)

  • [文献書誌] 菅原進一, 他: "市街地の火災安全性についての検討"安全工学シンポジウム講演予稿集. 7. 355-358 (2001)

  • [文献書誌] 菅原進一, 他: "街区における開口部の影響を考慮した市街地防災力の検討"日本火災学会研究発表会梗概集. 9. 235-236 (2001)

  • [文献書誌] Sugahara, S., et al.: "A Study on Urban Fire Spread Considering Openings"Proceeding of the 5th Asia-Oceania Symposium on Fire Science and Teclmology. 12. 43-55 (2001)

  • [文献書誌] 菅原進一, 他: "各種建築用鋼材の用途別適用事例に関する調査・研究"日本火災学会研究発表会概要集. 5. 20-23 (2001)

  • [文献書誌] 菅原進一, 他: "耐火鋼・CFT・耐火被覆の用途別適用事例調査"安全工学シンポジウム講演予稿集. 7. 303-306 (2001)

  • [文献書誌] 菅原進一, 他: "耐火設計における建築用鋼材の適用事例に関する調査・研究"日本火災学会研究発表会概要集. 9. 61-62 (2001)

  • [文献書誌] Oka, Y., et al.: "Flame and Temperature Properties from A Single Fire Source in Cross-Winds"INTERFLAM 2001. 136-139 (2001)

  • [文献書誌] 岡 泰資, 他: "自由空間における有風時の単一火源火災性状-その1 等温度線図による火炎領域定義方法の妥当性の検討-"日本火災学会研究発表会. 136-139 (2000)

  • [文献書誌] 岡 泰資, 他: "自由空間における有風時の単一火源火災性状-その2 横風により傾斜した火炎・プルーム性状-"日本火災学会研究発表会. 5. 140-141 (2000)

  • [文献書誌] 須川 修身, 他: "2個火源からの融合火炎性状に関する研究"日本火災学会研究発表会. 5. 146-147 (2000)

  • [文献書誌] 岡 泰資, 他: "横風により傾斜した火炎近傍の温度分布性状-温度分布予測式の検討-"日本建築学会大会大会学術講演梗概集(東北). 9. 11-12 (2000)

  • [文献書誌] 菅原進一他: "木質複合建築構造技術の開発"日本建築センター. 325 (2001)

  • [文献書誌] 菅原 進一他: "防火材料と安全建築"日本建築防災協会. 82 (2001)

  • [文献書誌] 菅原 進一他: "火災と建築"共立出版. 410 (2002)

  • [文献書誌] 菅原 進一他: "インテリアの防火設計"建築技術教育普及センター. 240 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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