研究概要 |
Web上の社会情報学事典構築に関して,社会情報システム学の観点から,展開を図った.このため,顧客を起点とする情報の流通との関連,ボランティア団体における情報技術の利用との関連,コミュニケーション・メディアの特性との関連などについて検討を行った. 本年度は,スタートの年度であり,特に,海外での研究の動向の調査や文献の探索・レビューに注力した.海外での研究動向に関しては,組織や社会に関するコンピュテーショナル・アプローチの国際的なワークショップであるCASOS(Computational Analysis of Social and Organizational Systems),および情報システムの利用に関する国際的なコンファレンスであるICIS(International Conference on Information Systems)の大会に参加し,調査を行った.また,文献的研究では,社会的ジレンマ問題と関連の深いモデルに関する論文を中心に探索・レビューを行った. 具体的な研究課題としては,顧客を起点とする情報の流通との関連では,DCM(Demand Chain Management)の概念を情報財の場合について検討し,ボランティア団体における情報技術の利用との関連では,震災救援のための募金活動における情報技術の貢献について,実態調査・統計的解析を行って考察し,コミュニケーション・メディアの特性との関連では,モバイルでのメッセージの特性について,シミュレーション・モデルを構築し,検討するなどした. 次年度は,これらの研究成果を国際研究発表大会で報告し,さらに本課題を推進するための知見を深める予定である.
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