研究分担者 |
高井 伸雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10281792)
鏡味 洋史 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70016476)
笠原 稔 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40001846)
安藤 文彦 (株)勝島製作所, 技術部長(研究職)
早川 福利 上山試錐工業(株), 開発部長(研究職)
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研究概要 |
都市部での地震観測において,そこでの人工ノイズを避けるためにボアホール地震観測が必要なことは広く認識されている.しかし,大きな問題は,その設置にはボーリング掘削等に多額の費用を要することである.本研究は,その問題を回避するために,既存の深層井戸を利用したボアホール地震観測システムの開発とその実用化を目指したものである.平成12年度の研究においては,札幌都市域における水井戸を利用して,予備的な実験から明らかになった問題点を解決し,十分な性能を有するシステムを開発した. 平成13年度においては,以下の項目について研究し,本システムの完成を確認した. 1)完成されたシステムのチェック 本研究で開発されたシステムが正常に作動していることをチェックするために,本システムによる記録と札幌市が市内に展開している3点のボアホール地震観測による記録とを比較した.微動記録と震度2の記録について比較し,本システムが正常であることを確認した.また,1999年台湾地震による表面波記録から,ボアホール水平動地震計の方位を確認した. 2)札幌都市域直下での微小地震活動 札幌市と本研究による全部で6点のボアホール地震観測点と郊外2点の地表地震観測点のデータを用いて,札幌都市域直下の約4年間の微小地震活動について調べた.その結果,北西-南東方向に線状に配列した震央分布を得た. 3)堆積層による地震波増幅特性 地表とボアホール地震記録との比較から,堆積層による増幅特性について研究した.その際に,PS検層の行なわれていなかった地層についてS波速度を推定した.
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