研究分担者 |
光藤 誠太郎 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 助教授 (60261517)
SABCHEVSKI S. P. 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 助教授 (10313735)
小川 勇 福井大学, 工学部, 助教授 (90214014)
岡島 茂樹 中部大学, 工学部, 教授 (90113084)
立川 敏明 香川医科大学, 医学部, 教授 (00020206)
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研究概要 |
研究目的.本研究では,短ミリ波からサブミリ波にいたる波長域で波長可変の高出力光源であるジャイロトロンを実現し、遠赤外領域の総合的開発研究の推進力として活用する。具体には, (1)3次サイクロトロン高調波を用いて,出力100W-1kWで,連続的に発振する最短波長200μm(周波数1.5THz)まで波長可変の装置を完成させる。 (2)ジャイロトロンの出力を,ガウシャン・モードへ変換し,ミラーを組み合わせた準光学的回路によって,単一モードで高クォリティのビームを保持して伝送する方式を確立する。 (3)電子の加速電圧を変化させることにより質量を変化させて,発振周波数を変調(FM)する。一方,電子銃の陽極への印加電圧を変調することにより,振幅変調(AM)を試みる。 (4)出力電圧・電流を安定化したcw高電圧電源を用いて,ジャイロトロンのcw動作を行いサブミリ波光源として要求される出力振幅及び周波数の安定化を達成する。 (5)開発したジャイロトロンを光源として,テラヘルツ帯のプラズマ散乱計測装置を完成し,大型核融合装置の計測を行い,テラヘルツ帯ESR装置を完成して,物性研究のために用いる。 本年度の研究実績 (1)サイクロトロン高調波動作を用いたサブミリ波ジャイロトロンの短波長化,17T超伝導マグネットを用いた波長可変のサブミリ波ジャイロトロン(最短波長337μm,周波数889GHz)により,3次高調波動作を実現して,さらなる高周波化の目途を得た。 (2)ジャイロトロン出力の周波数変調及び振幅変調,電子ビームの加速電圧を変化して相対論的効果による電子の質量の変化を利用して,周波数変調を,ジャイロトロンの陽極電圧を変化させ電子ビームの速度分布を変化させることによって,振幅変調を実現した。 (3)ジャイロトロンをサブミリ波分光用光源として応用する立場からみた出力のクォリティの検討,サブミリ波帯・波長可変・高出力ジャイロトロン出力のクォリティを高めるため,フィードバック制御により,振幅の安定化を図り,10^<-3>の安定度を達成した。
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