研究課題/領域番号 |
12558047
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研究機関 | 大同工業大学 |
研究代表者 |
藤田 順治 大同工業大学, 工学部, 教授 (50023700)
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研究分担者 |
岩間 三郎 大同工業大学, 工学部, 教授 (00075904)
仲根 宏幸 北海製罐株式会社, 技術本部開発部員
近藤 芳孝 大同工業大学, 工学部, 教授 (20043185)
坂 貴 大同工業大学, 工学部, 教授 (20115570)
日置 義明 大同工業大学, 工学部, 教授 (10075913)
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キーワード | プラズマ応用 / 薄膜形成 / 機能性薄膜 / プラズマ分光 / プラズマ化学反応 / マイクロ波放電 / 表面波プラズマ / プラズマCVD |
研究概要 |
本研究の目的は、表面波の伝搬を利用した高効率のプラズマ生成と応用に関する知識と技術の展開として、PETボトルや生活用品への機能性薄膜形成装置を開発することにある。本年度は、薄膜の特性評価に適した形状の試料に薄膜を形成し得る装置の完成と、必要な計測機器の整備、薄膜形成装置で生成されるプラズマの諸物理量の計測を行った。 目的とする薄膜形成に必要なプラズマを安定に生成するために、マイクロ波伝送回路終端部のアンテナから直接プラズマへマイクロ波電力を投入する従来の方式に替え、まず空洞共振器を励振し、共振器底部のスロットアンテナからプラズマへ電力を投入する方式を考案し、実機を設計・製作した。また、溶融石英円板を介して表面波によるプラズマ生成方式を採用したため、直径約20cmの円板状のプラズマを、安定にしかも広い範囲のガス流量、投入電力にわたって生成することができた。特に、薄膜形成にとって望ましい条件である低ガス圧での良好なプラズマ生成が可能となった。プラズマの電子温度と密度はラングミュアプローブを用いて測定し、電子温度:2〜10eV、密度:10^<16>〜10^<17>m^<-3>のプラズマが生成され、石英板からの距離とともに単調に減衰していることが確認された。プラズマ中での化学反応の計測には、分光器の他にQマスフィルターを用いた。形成された薄膜の特性評価のために、排気系、Qマスフィルター、ガス導入系からなる特定ガス通気性測定装置を製作した。薄膜の膜厚、表面形状の測定には原子間力顕微鏡を用いた。 また、微粒子を用いた薄膜形成、プラズマ中の微粒子検出に関連して、レーザー散乱法による微粒子計測、レーザー誘起蛍光法を用いたプラズマ中原子分子密度の計測等のためのレーザー光源を整備し、有力な計測法であることが確認された。 これらの薄膜形成装置、各種計測装置の完成と評価法の確立により、要求される薄膜の種類、特性に応じて、最適なプラズマ条件の設定につながるデータを得るための準備が整った。残念ながら薄膜形成の具体的な実験例は未だ乏しいが、今後、これらの装置を駆使すれば、望みの薄膜形成のための処方箋を得ることができるという見通しが立った。
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