申請者は化学工学的移動現象論の観点から、固体増殖機からのトリチウムの放出挙動を、増殖機グレインのバルク内、増殖機グレイン表面、およびグレイン焼結体である多孔質ペブル内における移動過程の集約と捉え、まずそれぞれの基礎的移動現象の静的、動的特性を把握し、整備したデータベースに基づいたモデルを使ってシミュレーションコードを作成しようとしている。 本年度は、現在最も優れたトリチウム放出特性を持っと言われているリシウムチタネートの同位体交換容量、吸着容量および同位体交換反応Tの反応速度の定量を行った。その結果、リシウムチタネートは高温水素雰囲気でリシウムの質量移行を起しやすく、このことが同位体交換反応の大中低下の原因となる事を確めた。
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