研究概要 |
本年度はCCD素子を購入して分光用検出器として動作させることを目的として研究を進めた.市販の検出器は高価で且つ購入後CCD素子や回路系を改造するのは不可能なので,背面照射型CCD素子を浜松ホトニクス(株)から購入し,それを動作させる回路系とペルチェ素子による冷却系を製作した.全体を統一し組上げを完了した.可視光を用いて検出器の動作試験を行ったところ回路系の雑音が多く,16ビット(約65,000カウント)の性能を発揮することが出来なかった.このためコンデンサー等を新たに加え,またケーブル等も新替えもしくは配置換えを行って対処したところ相当な雑音の軽減に成功した.ペルチェ素子で冷却を行って更なる雑音の軽減に努力し,現在のところノイズはおおよそ10-20カウント/チャンネル程度となっている.得られた性能は市販の高性能なCCD素子には及ばないが,強度の高いスペクトル線を観測するには計測上全く問題はなく,本研究を遂行する上で十分な結果が得られたものと判断できる.今後研究の進展に伴って改善を加えていくこととした.またこれらのCCD素子から得られた信号をデータ処理する為のUNIXマシンを核融合科学研究所所有のパーソナルコンピューターを利用して整備完了した.これら一連の作業の後今回製作したCCD検出器を可視分光器に取り付けることにより,LHD第4サイクル実験の終盤(2001年1月)には無事可視スペクトルを得ることに成功した.まずは当初予定していた本計画の初年度の目標を達成したと考える.
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