研究課題/領域番号 |
12558056
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
前畑 京介 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30190317)
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研究分担者 |
上岡 泰晴 太陽東洋酸素(株)超低温事業部, 研究主幹
仲川 博 電子技術総合研究所, 電子デバイス部, 主任研究官
赤穂 博司 電子技術総合研究所, 電子デバイス部, 主任研究官
有馬 秀彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20253495)
石橋 健二 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (00159766)
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キーワード | 超伝導トンネル接合 / 高性能X線検出器 / マイクロストリップコイル集積型素子 / 極低温放射線検出器 |
研究概要 |
高いエネルギー分解能でのX線検出は、科学の広い分野で必要とされ、Si半導体検出器に優るものとして、10mK〜400mK程度の極低温で動作するマイクロカロリーメーターや超伝導トンネル接合(以下STJと称する)検出器の開発が盛んに行われている。本研究では、安定で再現性の良いX線検出動作特性を得るために、従来のSTJ素子上に超伝導マイクロストリップコイルが集積された構造を考案した。作製プロセスを検討し、マイクロストリップコイル集積型STJ素子を作製した。作製したマイクロストリップコイル集積型STJ素子の品質を調べるために、極低温に冷却し電流-電圧特性を測定した。測定で得られた電流-電圧特性は外部電磁石から磁界を印加した場合とほぼ同等であり、X線検出器として使用できることを確認した。希釈冷凍機や断熱消磁冷凍機に比較して簡便な操作で0.4K程度の極低温に到達でき、コンパクトな構造のヘリウム3クライオスタットを用いてマイクロストリップコイル集積型STJ素子を0.4Kの極低温まで冷却し、^<55>Fe線源を用いてX線検出実験を行った。マイクロストリップコイルで発生した磁界を印加し、素子を検出器として動作することができ、X線に対する検出信号パルスを観測することができた。しかしながら、コイル電極部におけるジュール発熱により素子の温度が上昇し安定に動作することができなかった。
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