研究概要 |
ZrOCl_2、H_3PO_4及びH_2C_2O_4の混合溶液から水熱反応で合成したNH_4Zr_2(PO_4)_3を熱分解することにより調製したHZr_2(PO_4)_3を用い、前年度の良好な永久固定化が達成できたCsに代え、長期間安定な固定化が望まれているSrについても検討したところ、以下のことが判明した。Sr(NO_3)_2/HZr_2(PO_4)_3=0.1〜0,5範囲での混合物を600〜1200℃で熱処理することによって、Srの固定化を図った。700℃で熱処理したSr(NO_3)_2/HZr_2(PO_4)_3=0.2固定化体は、最も多いSr固定量(Sr(N0_3)_2/HZr_2(P0_4)_3モル比が0.2で、約4wt%のSrになる)で、160℃のオートクレイブ中でのいくつかの溶媒に対して最小のSr浸出率を示した。その固定化体の160℃オートクレイブ中24時間の浸出試験結果は、原子吸光分光光度計により測定したCs浸出率でみると、純水、海水、0.1N-HCl、0.5N-HCl、1N-HCl、1.5N-HCl及び1N-NH_3に対して、<10^<-6>,1.3×10^<-4>,1.4×10^<-4>,1,1×10^<-3>,2,0×10^<-3>,8.8×10^<-3> and <10^<-6>g m^<-2> day^<-1>であり、従来のSr固定化体に較べて3桁以上の優れた耐Sr浸出特性が得られることがわかった。また、電子顕微鏡観察及び粉末X線回折測定から、固定化体の外観及び結晶構造には変化が認められなかった。
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