研究概要 |
【目的】 (対象湿原)北海道の北部に位置するサロベツ湿原を中心に実施する。大規模な農地開発事業に伴い湿原の一部が農地に姿を変えて以来、ササが残された高層湿原へ侵入するなど自然の生態系に変化がみられるようになった。(平成12年度)湿原地下水の水位及び水質の形成機構さらに非泥炭性土壌の侵入過程を明らかにし、湿原の乾燥化や土壌の組成の変化等の人間活動の湿原生態系に及ぼす影響を評価する。(平成13年度)平成12年度の成果を基に、保全対策の一つである湿原の水位上昇のための降水貯留ダム、さらに湿原内で水位上昇のためので水位を高める人工湿地溝ダムの建設効果に検討を加える。この効果的な運用手法についても検討する。さらに降水貯留及び湿地溝ダムを含め効果的な湿原管理を行うため、湿原周辺流域の水管理について検討を加える。 【実績】 本年度は、現地を視察と調査を行うとともに(2000年5.6,7,10,11,12月)、サロベツ湿原の地下水質に関する過去の分析データを収集し、他の湿原域と比較して本湿原の特徴をササの進入という視点から整理した。また泥炭地下水の水質分析のために購入したICP発光分析装置は、設置業者の事故等によって設置に時間がかかったが動作を確認した。また平成13年度に使用する降水貯留ダムをサロベツ湿原に仮建設した。(2000年11、12月)来年4月から貯水が始まる予定である。 【研究協力】 環境庁西北海道地区国立公園・野生生物事務所、利尻礼文サロベツ国立公園管理官事務所、豊富町
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