研究課題/領域番号 |
12558064
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橘 治国 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90002021)
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研究分担者 |
井上 隆信 岐阜大学, 工学部, 助教授 (00184755)
佐伯 浩 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30001209)
高橋 英紀 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (20001472)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 高層湿原 / 湿地 / 水質 / 水位 / ミズゴケ / ササ / ダム / 土壌 |
研究概要 |
北海道には、わが国の80%に達する湿原が存在し、自然の貴重な植物が繁茂し動物が生息している。第二次世界大戦後、農業や工業の生産の場そして居住の場として湿原は開発されて著しく減少するとともに、潅漑排水に起因する乾燥化、人為活動に伴う排水の流入等によって、湿原本来の植生や生態系に見られる自然環境が失われつつある。本研究では、湿原地下水の水位及び水質の形成機構さらに非泥炭性土壌の侵入過程を明らかにし、これら人間活動の湿原生態系に及ぼす影響を評価した。さらに、保全対策の一つとして湿原の水位上昇のための人工湿地溝ダムの建設し、その効果に検討を加えた。調査は平成12年度から13年度にサロベツ湿原を対象に、精力的に調査を行った。サロベツ湿原環境省特別実験区においてに、高層湿原の状態を維持するミズゴケ域と、すでに湿原の様相をなさない笹域において、植生はもちろん、水質・土壌質に大きな差のあることを明らかにした。ほぼ一年間に及ぶ湿地溝ダム実験によって、湛水によってミズゴケが生育できる水質に回復すること、また笹が完全に枯死したことを確認した。また湛水によって、高層湿原域の植生に回復することも明らかにした。今後、この湛水の手法を、広い地域に拡大させることが、湿原環境の復元と保全に効果のあることが明らかとなった。今後は、これらの広域的調査と水位と植生の理論的解析が必要である。
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