研究課題/領域番号 |
12558068
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
佐藤 令一 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (30235428)
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研究分担者 |
荻原 克俊 株式会社クボタ, 事業開発部BB?PT, 課長補佐(研究職)
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キーワード | Bacillus thuringiensis / ファージディスプレイ / 進化工学 / δ内毒素 |
研究概要 |
1)ミューテーション導入による受容体結合領域の解析 殺虫性タンパク質にポイントミューテーションを導入し、これまでに挙がってきた受容体結合候補部位の何れが真の結合部であるかについて解析を開始した。すなわち、殺虫性タンパク質の受容体結合候補領域のアミノ酸残基を1残基ずっ順次システイン残基に置換し、さらにはそのシステイン残基に標識化合物を結合させることにより、殺虫性タンパク質の受容体結合能力を阻害して受容体結合領域を決定するシステムを考案し、これまでに10種類のミュータントを作製した。今後はこれらのミュータントタンパク質の結合性を評価して受容体結合の候補領域を狭めて行きたい。 2)第2の受容体、アミノペプチダーゼNに対するファージスクリーニング法の検討 第2の受容体アミノペプチダーゼNに結合する「殺虫性タンパク質発現ファージ」の構築法を検討した。その結果、何れの方法で作成したファージも第1の受容体カドヘリン様タンパク質には結合したが、アミノペプチダーゼNには結合しなかった。一方、アミノペプチダーゼNと殺虫性タンパク質の結合特性を検討したところ、2分子間の結合は弱く、解離しやすいことが明らかになった。これらの結果から、殺虫性タンパク質を正しく発現したファージは出来ているものの、アミノペプチダーゼNと殺虫性タンパク質との結合が弱きために、実際の系ではファージを保持できるほどの結合が実現できないものと考えられた。そこで、現段階の発現法で十分にアミノペプチダーゼNに対する結合性が増したファージをスクリーニング出来ると考えられた。
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