研究課題/領域番号 |
12558068
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
佐藤 令一 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助教授 (30235428)
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研究分担者 |
荻原 克俊 株式会社クボタ, 事業開発部BB?PT, 課長補佐(研究職)
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キーワード | Bacillus thuringiensis / ファージディスプレイ / 進化光学 / δ内毒素 |
研究概要 |
1)障害構造の導入による受容体結合領域の解析 CrylAa殺虫クンパク質のあるアミノ残基をポイントミューテーションによりシステインに置換し、さらにこのシステインを介して小さな立体障害構造(N-(9-acridinyl)maleimid ;以降NAM)を導入して受容体との結合が邪魔できるか否かを検討することにより、カイコ中腸の二つの受容体(アミノペプチダーゼNおよびカドヘリン様タンパク質)に対するこのタンパク質上の結合部位候補を再検討し、さらに候補領域を狭める試みを行った。その結果、アミノペプチダーゼN結合領域は殺虫タンパク質のドメイン3上にあり、しかも582位に導入したNAM標識で結合が邪魔される範囲にあることが判明した。一方、カドヘリン様タンパク質結合領域はドメイン2上にあり、311位や377位に導入したNAM標識が結合を阻害する範囲にあることが明らかになった。これらにより、効率的なスクリーニングを可能にする、ライブラリー構築のための殺虫性タンパク質分子上の変異導入候補領域がさらに狭められた。 2)ファージディスプレイ系を用いた殺虫タンパク質ライブラリーとスクリーニング系の構築 ドメイン2と3にランダムに変異を持つ殺虫たんぱく質を発現したファージのライブラリーを10^gレベルで構築することに成功した。また、受容体であるカドヘリン様タンパク質を用いて、結合性の高い殺虫タンパク質を発現したファージを結合性の低い殺虫タンパク質を発現したファージの中から選抜するスクリーング技術を、結合親和性の異なるCry1AaとCry1Abを発現したファージをモデルにして検討し、完成した。
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