研究課題/領域番号 |
12558072
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
米田 稔 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40182852)
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研究分担者 |
森澤 眞輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (50026340)
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キーワード | 土壌汚染 / サンプリング地点 / 最適配置 / 推定分散 / geostatistics / 遺伝アルゴリズム / ハイブリッド / 評価関数 |
研究概要 |
土壌汚染調査のためのサンプリング地点配置の最適性を、定量的に評価するための評価基準を作成するために、まず土壌汚染の3次元空間分布を、空間統計学の分野のgeostatisticsを用いて不確定性とともに表現する方法について検討した。その結果、各深さごとの平面分布を異なった確率変数と考え、推測場利用型kriging手法を用いる方法が有効であることがわかった。現在、この3次元分布の推定値とその不確定性の推定値を用いて、推定土壌処理量の不確定性を最小にする基準を評価関数とする方法を検討中である。 また、現実のサンプリング地点選定問題では、一般に無情報条件下で行われる土壌汚染概況調査においてサンプリング地点の最適配置を決定するために、空間的相関の強さを表すパラメータの無情報事前分布を仮定し、領域全体での空間平均値を有限個の観測値の平均値で推定する場合の推定分散に基づいた評価関数を設定した。昨年度、遺伝アルゴリズムと最良地点逐次移動法のハイブリッド手法の利用が有効であることがわかっている。今年度はこの方法をさらに検討し、ここで使用する計算パラメーターの最適化を行った。そして種々の形状の領域に対して最適配置探索を行い、任意形状領域で任意の地点数によるサンプリング地点配置の探索を行う場合のデータ変換方法なども確立した。様々な条件下において、無情報条件下での最適サンプリング地点配置を求めた結果、最適サンプリング地点は領域内に概ね均等に分布することを確認した。本手法の最大の利点は、これらのサンプリング地点の配置を主観的にではなく、客観的に決定する方法を提供することであると考えられる。なお、現在、実データへの適用のために実際の土壌汚染データを収集中である。
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