研究課題
1.研究目的本研究はコンピューター用ハードディスク製造における無電解メッキ工程廃液から(1)貴重な資源であるニッケル、リン、有機物、アンモニアを回収する資源回収型処理技術を確立するとともに、(2)この技術の実用化に必要な処理プラントの設計を行うことを目的とする。2.研究成果(1)リン化合物の電解酸化及びニッケル電析回収プロセスの開発二酸化鉛被膜チタンを陽極およびチタンを陰極とする電解工程によりニッケル(II)は完全に電析回収された。廃液中の次亜リン酸および亜リン酸は完全にオルトリン酸に酸化された。消費電力は580kWh/m3-廃液であった。(2)リン・アンモニアの回収プロセスの開発MAP(NH4MgPO4・6H2O)工程により100%リンおよび90%のアンモニアが回収された。結晶性沈殿MAPは肥料としての有効利用が可能である。廃水1m3に対しMg(OH)2の最適添加量は160kgで、MAP650kgが回収された。(3)有機物・アンモニアの生物除去プロセスの開発活性汚泥法を用いた生物工程終了の段階でBODおよびアンモニアはそれぞれ99.8%および99%削減された。3.今後の課題(1)二酸化鉛被膜チタン陽極から鉛の溶出が起こった。鉛溶出を防止する最適操作pHの検討すること、(2)生物工程として活性汚泥法による硝化・脱窒反応の最適設計を行うこと、また、生物工程としてUASB法等による嫌気法を用いたメタン回収工程の導入、(3)本研究の実用化に向けて、1m3/日の処理能力を持つ実証実験を行うこと。
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