研究課題/領域番号 |
12558079
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水野 健作 東北大学, 大学院・生命科学研究所, 教授 (70128396)
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研究分担者 |
中野 亨 塩野義製薬, 創薬研究所, 主管研究員
荒井 秀典 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60232021)
大橋 一正 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10312539)
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キーワード | Gas6 / 細胞増殖因子 / 腎メサンジウム細胞 / 糸球体腎炎 / Axl / ワルファリン / STAT3 |
研究概要 |
細胞増殖因子は正常個体における発生や創傷治癒、再生に不可欠である一方で、その発見の亢進や減少は、癌や動脈硬化など多様な疾患の原因となることが知らせている。本研究では、Glaドメインを有する新規な細胞増殖因子Gas6の生理機能を細胞、個体レベルで解明するとともに、種々の疾患におけるGas6の関与を明らかにし、Gas6の特異的な阻害剤の開発により、これら疾患の診断と治療法を開発することを目的として研究を行い、以下の結果を得た。1)Gas6は、受容体Axlを介して、腎メサンジウム細胞の増殖を促進する。可溶型受容体Axl-FcおよびビタミンK依存的Gla化阻害剤ワルファリンは、Gas6による腎メサンジウム培養細胞の増殖を阻害した。2)Thy1.1抗体の投与による実験的糸球体腎炎ラットにおいて、Gas6,Axlの発現量の増加が観察された。Axl-Fc、ワリファリンの投与によってメサンジウム細胞の増殖抑制とPDGF産生の抑制効果が認められた。以上の結果は、糸球体腎炎の発症においてGas6とAxlが重要な役割を果たしていることを強く示唆しており、ワルファリンやAxl-Fcが有効な治療薬となる可能性を示唆している。3)Gas6刺激により腎メサンジウム細胞のSTAT3のチロシンリン酸化レベルの上昇と核内への移行が観察され、また、STAT3のドミナントネガティブ体はGas6によるメサンジウム細胞の増殖を阻害することから、Gas6による腎メサンジウム細胞の増殖のシグナル経路においてSTAT3が重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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