研究課題/領域番号 |
12558083
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 春木 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (80134485)
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研究分担者 |
中井 孝尚 鍾淵化学工業(株), ライフサイエンスRDセンター・高砂研究所, 基幹部員(研究職)
中島 伸介 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (60324852)
山崎 俊夫 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (60273710)
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キーワード | 分子認識 / ドッキング / ドラッグデザイン / 区分標識法NMR / インテイン / シミュレーション計算 / 自由エネルギー計算 / マルチカノニカル統計 |
研究概要 |
区分標識法NMRと自由エネルギー計算とを組み合わせ、溶液中での蛋白質・基質複合体の物理的・統計力学的に信頼性の高いモデルを作成する技術を確立し、蛋白質阻害薬剤開発の実用化をめざすことを目的とする。この方法論を確立しその精度を評価するため、まず、X線結晶解析によって既知である蛋白質・基質複合体のモデルとして、マルトース結合蛋白質をその候補とした。好熱菌由来の2種類のインテインを用いることによって、3つのセグメントに、安定同位体で別々に標識しNMR測定を行った。さらに、^<15>Nで均一に標識したマルトース結合蛋白質にマルトースを添加していくことにより、NMRスペクトル変化を観測できたが、マルトース結合蛋白質自体がマルトース結合に際して大きな構造変化を行うため、化学シフトの変化ではなく、新たなシグナルが出現する現象が現れた。このため、必ずしもマルトース結合蛋白質は、この手法の確認の良い候補とはならないことが判明した。 一方、これまで開発してきたマルチカノニカルWHAM法のアンブレラ・ポテンシャルとして、蛋白質と低分子リガンドとのそれぞれの重心間の距離を用いて、ドッキング計算に利用できるように計算機プログラムに変更を加えた。その結果、自由エネルギーをシミュレーション計算によって算出する手法を作成し、試行を行った。 さらに、本研究の実用化のためのモデル系の探索を行い、幾つかの候補の蛋白質・基質の系に対するプログラムの試用を開始した。
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