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2002 年度 実績報告書

マウス四肢の再生システムの確立

研究課題

研究課題/領域番号 12558086
研究機関東北大学

研究代表者

井出 宏之  東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70022704)

研究分担者 小山 洋一  ニッピ(株)バイオマトリックス研究所, 主任研究員
田村 宏治  東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (70261550)
山本 博章  東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (40174809)
キーワードマウス四肢 / 再生 / FGF / BMP
研究概要

完全な四肢再生能を持つ有尾両生類と比較して、哺乳類では、指先の再生が起こるだけで、再生能は殆んど無い。この失われた再生能を回復させるために、再生能回復が可能なツメガエル幼生四肢を参考にして、マウス四肢の再生システムの確立を目指した。
新生直後のマウスの前腕部から手首までのさまざまなレベルで四肢の切断を行い、その後、切断面に細胞成長因子およびその遺伝子と受容体の遺伝子、転写因子Msxの遺伝子等を導入した。細胞成長因子等のタンパク質は、通常のアフィゲルブルー樹脂以外に、維持時間の長いゼラチン粒子を用いて、局所投与した。2週間から1ヶ月後に、四肢をアルシアンブルー染色、アリザリンレッド染色して、それぞれ軟骨形成、骨形成を調べた。軟骨形成についてはII型コラーゲンの発現も調べた。
前腕部レベルでの切断では、切断部に軟骨は殆んど形成されないが、手首のレベルでの切断では、軟骨が形成され、FGF(繊維芽細胞成長因子)-2、FGF-4の投与によって、軟骨域は大きく拡大した。一部では、遊離軟骨部位の新生も見られた。前腕部レベルでの切断ではFGFによる軟骨形成域の誘導は見られなかった。Msxの発現も見られなかった。Msx発現と脱分化の関係が示唆されているので、Msxの強制発現を行った。
両生類四肢の再生ではBMPの関与も指摘されている。切断面にBMP-4を投与することによって、切断部の軟骨の肥大化が見られた。これら細胞成長因子の作用は、再生芽形成を意味しており、これに前後軸形成、背腹軸形成を制御するシグナル分子またはその遺伝子を導入することによって、マウス四肢の再生に近づけると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Yokoyama: "Anteroposterior axis formation in Xenopus limb bud recombinants"Developmental Dynamics. 225. 277-288 (2002)

  • [文献書誌] D.Saito: "Specification and determination of limb identity : evidence for inhibitory regulation of Tbx gene expression"Development. 129. 211-220 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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