研究課題/領域番号 |
12558087
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 大阪市立大学 (2001) 旭川医科大学 (2000) |
研究代表者 |
木山 博資 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00192021)
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研究分担者 |
濤川 一彦 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50312468)
瀬尾 寿美子 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70311529)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | アデノウイルス / loxP / Cre / プロモーター / 神経特異的 / NRSE |
研究概要 |
アデノウイルスベクターを用いて、ある特定の遺伝子を局所的にしかもグリアと神経細胞を区別して導入し、より高度な「神経温存再生」を可能にすることが本研究の目的である。強力なプロモーター下にloxP-Stuffer(ストップコドン)-loxP-GFP(またはLacZ)をコードしているアデノウイルスと、細胞種特異的なプロモーターの下流でCreを発現するアデノウイルスベクターを構築し、これらの共感染により標的蛋白を神経系・アストロ系・シュワン系・骨格筋の各種細胞に特異的に発現させることを目指した。ニューロン特異的プロモーターとしてSCG10プロモーター、アストロサイト特異的プロモーターとしてGFAPプロモーターを用い、それぞれの細胞種特異的発現をするCre発現ウィルスを作成した。SCG10プロモーターについては、特異性を向上させるため、神経特異的サイレンサーエレメント(NRSE)を複数付加した。これらウィルスを培養系にてCre誘導性GFP発現ウィルスと2重感染させると、細胞種特異的にCre/loxPシステムが働き、CAGプロモーターからの強いGFPの発現が誘導された。さらに、この細胞種特異的発現はラット脳内へウィルス接種することでも、神経特異性やアストロサイト特異性は比較的保たれた。しかし、脳の部位によるプロモーターの活性の違いが若干影響し、一部の領域の神経細胞では、発現が弱かった。一方、シュワン細胞特異的プロモーターとして、当初BDNFのタイプIVプロモーターを考えていたが、より高い特異性とプロモーターの短縮化をはかるため、Oct6のプロモーターを組み込んだアデノウイルスの作成を試みた。Oct6は損傷後のシュワン細胞やシュワノーマなどの腫瘍細胞で強い発現が見られるため、シュワン細胞特異的な遺伝子導入のほか、シュワノーマの治療にも応用できる可能性が期待される。
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