研究概要 |
この実験は、ショウジョウバエの遺伝子導入に良く用いられているyeastのGAL4-UASシステムを哺乳類で確立し、時計遺伝子・時計関連遺伝子と想定される遺伝子を自在にサーカディアンセンターである視交叉上核に発現させ得る系を確立する事を目的としている。これにより、ある特定の遺伝子を視交叉上核に過剰発現させる事ができ、行動リズムをモニターする事により、この遺伝子のサーカディアンシステムに及ぼす影響が測定できる。今年度、mPer1プロモーターにUAS及びGAL4をつないだDNAをもつトランスジェニックマウスの作成し、UASに対象とする遺伝子のcDNAをつないだDNAをもつトランスジェニックマウスをも作成した。遺伝子の導入は、熊本大学動物資源開発研究センターにおいて、マウス受精卵にDNAをマイクロインジェクションすることにより行ない、現在マウスができて尾部より抽出したゲノムDNAを、サザンハイブリダイゼーション法で遺伝子導入を確定した。得られたトランスジェニックマウスは、wild typeのマウスと掛け合わせ、数を増やしている最中である。mPer1プロモーターにUAS及びGAL4をつないだトランスジェニックマウスの系統については、GAL4遺伝子のコード領域をプローブとして、視交叉上核において適切な発現パターンを示すトランスジェニックマウスを以後の実験に使用する。対象とする系統については、時計遺伝子mPer1,mPer2,mPer3を作成した。
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