• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

ポリリン酸を用いた歯周病治療用人工歯根膜の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12558099
研究機関北海道大学

研究代表者

柴 肇一  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60241303)

研究分担者 田島 健次  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00271643)
高井 光男  北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50002019)
棟方 正信  北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50261326)
西村 和晃  大阪歯科大学, 歯学部, 講師
キーワードポリリン酸 / 歯周組織再生 / 骨再生 / 生体適合性材料 / 再生医療 / 人工歯根膜 / 細胞増殖促進 / 骨分化促進
研究概要

ポリリン酸の骨再生効果に関して
1、培養細胞を用いた評価
骨芽細胞様のcell line MC-3T3 E1を用いて、ポリリン酸の骨分化誘導効果について検討した結果、ポリリン酸処理群はコントロールであるオルトリン酸、及び無処理の細胞群と比較して顕著な骨分化誘導促進をしめした。骨分化の指標として、アルカリフォスファターゼ(ALP)活性の経時的変化、コッサ染色、アリザリンレッド染色を行い、ポリリン酸処理によるALP活性の上昇(処理後10日目以降)、処理後20日間での顕著な石灰化が観察された。また、処理した細胞のポリリン酸代謝酵素活性を調べたところ、ポリリン酸で11日間処理した細胞で、Endopolyphosphatase及びExopolyphosphatase活性の顕著な上昇が見られた。骨分化の陽性コントロールである、β-グリセロリン酸処理群や陰性コントロールであるオルトリン酸処理群では、上記のようなポリリン酸代謝活性の上昇は全く見られなかった。このことから、ポリリン酸を主成分とする人工歯根膜は歯槽骨の再生を促進する効果があると考えられる。また、人工歯根膜以外にも骨再生材料としての応用が可能であることもわかった。
2、ラットを用いた歯周組織再生効果の確認
ラットを用いて、外科的に歯周組織を破壊し、破壊部位にポリリン酸処理を行って歯周組織再生の様子を観察した。ポリリン酸処理したものでは顕著な組織再生が観察され、処理後4週間以前の早い時期においてすでに歯槽骨の再生が観察された。また同時にポリリン酸処理により患部の炎症も抑えられることがわかった。
ラットを用いたin vivoの実験結果も培養細胞での結果を裏付けるものであり、ポリリン酸が人工歯根膜もしくは骨再生材料としてかなり有望な物質であることが確認できた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] K, Tsutsumi, T.Shiba, et al.: "Involvement of inorganic polyphosphate in expression of SOS genes."Biochim.Biophys.Acta.. 1493. 73-81 (2000)

  • [文献書誌] T.Shiba, K.Tsutsumi, K.Ishige, T.Noguchi: "Inorganic polyphosphate and polyphosphate kinase : their novel functions and applications."Biochemistry(Moscow). 65. 315-323 (2000)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi