研究課題/領域番号 |
12558101
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松本 健郎 東北大学, 大学院・工学研究所, 助教授 (30209639)
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研究分担者 |
大橋 俊朗 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30270812)
佐藤 正明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111371)
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キーワード | バイオメカニクス / 細胞力学 / 細胞骨格 / 細胞小器官 / 顕微鏡 |
研究概要 |
細胞内の微細構造を知るために、従来は共焦点レーザー顕微鏡で焦点をずらしつつ撮影された映像を積み重ねる方法が用いられてきたが、細胞の厚み方向の分解能が不十分で細胞内部の構造を詳細に知ることはまだ難しい現状である。そこで本研究では細胞を顕微鏡下に把持し、これを顕微鏡光軸と直交する軸まわりに回転させつつ様々な方向からの像を記録し、これらの像を基に計算機により細胞内の微細構造を再構成する手法の基礎検討を行うことを目的とし、3年間に亙る研究を続けている。初年度は細胞把持・回転装置とその制御ソフトウェアを試作し、SYTO13で核を蛍光染色した細胞を回転させつつ観察し、核構造の回転の様子を観察することを可能とした。研究2年目の本年度は手法・装置を改良し、細胞骨格の観察を可能とした。まず、基板上で培養したウシ胸大動脈由来血管内皮細胞のアクチンフィラメントをFITCファロイジンで染色し、ホリマリン固定した後、47kHzの超音波に30分程度曝すことにより、細胞が平板上を保ったまま基板から剥離することを見出し、この方法で剥離した細胞を把持し観察した。しかし、細胞の望んだ部分を望んだ方向から把持することが困難であったため、幅1mmのマイクロガラスバー上に細胞を播種・培養した後、同様に染色し、このグラスバーを把持し回転させる方法に変更した。この方法でアクチンフィラメントを観察したところ、グラスバー表面からの屈折光による像の劣化は若干あるものの、細胞骨格を観察することが可能であった。斜めに傾けた細胞をピントをずらしつつ撮影し、得られた一連の像からパンフォーカス像を作成し、斜め方向からみた細胞骨格像を観察することができた。しかし、細胞の位置および焦点合せの高速化、画像の質の改善などが依然、課題として残された。
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